なぜ、年をとると涙もろくなるのか?

新聞・雑誌

女性セブン12月19日号

「すぐ泣く人」よりも「涙を抑えられる人」の方が認知機能が高い

主に中高年女性が読者の小学館の週刊誌、女性セブンに私へのインタビューを基にした記事が掲載されました。最近、このテーマや「なぜ、年をとると怒りっぽくなるのか」に関する取材が多くなっています。

記事中に私の話を引用して「泣かない相手に対して、″冷淡″、″無表情″などと捉える人もいますが、それは間違い。本当の無表情とは、前頭前野の機能低下が進んだ状態で、たとえば重度の認知症の方に見られます」というくだりがあります。

先のラグビーワールドカップで大活躍した日本代表・稲垣 啓太選手は「冷淡」「笑わない男」などと呼ばれていますが、私が見るところ彼は喜怒哀楽のコントロールができる人であり、決して「冷淡」な人ではないですね。(出身地も私と同じ新潟県!)

つまり「すぐ泣く人」よりも「涙を抑えられる人」の方が、前頭前野の機能が高く、認知機能も高いということです。以下、私への取材を基にした部分を掲載します。

前頭前野には「情動を抑制する」機能がある

しかし、共感だけが涙もろくなる理由ではない。東北大学特任教授の村田裕之さんは前頭前野には「情動を抑制する」機能もあると話す。

「円滑なコミュニケーションをとることや、思考する能力、意思決定する能力、そして喜怒哀楽の感情表現、これらはいずれも前頭前野が司っています。前頭前野が鍛えられている人は”泣く”や”笑う”などの感情をコントロールすることが可能です。昔より涙もろくなったと感じるならば、前頭前野の機能が低下している証拠です」(村田さん)

つまり、「すぐ泣く人」よりも「涙を抑えられる人」の方が、前頭前野の機能が高く、認知機能も高いということだ。

涙もろいだけでなく、怒りっぽくなった、キレやすくなった、なども前頭前野の機能低下が原因です。涙もろい人は怒りっぽいと言っても過言ではない。泣かない相手に対して、″冷淡″、″無表情″などと捉える人もいますが、それは間違い。本当の無表情とは、前頭前野の機能低下が進んだ状態で、たとえば重度の認知症の方に見られます」(村田さん)

脳の老化は、涙をコントロールできなくなったら危険信号。感情が抑制できなくなれば、他人に迷惑をかける「暴走老人」になりかねない。

(途中略)

泣く時は思いっきり泣くことが健康の秘訣。だからといって、なんでもかんでも泣いていいわけではない。

村田さんは「大人こそ、涙を安売りすべきでない」と語る。「涙は、ここ一番の時に取っておく。”この程度のこと”で泣く人は鍛錬不足です。脳トレを生活習慣にして脳を鍛えていれば、涙をコントロールすることは可能です」

前頭前野を鍛える体験ができる講演会の例はこちら

講演報告:スマート・エイジング 人生100年時代を生き抜く10の秘訣 | 村田裕之の団塊・シニアビジネス・シニア市場・高齢社会の未来が学べるブログ
気温37度を超える炎天下にも関わらず、定員を超える216名の方が参加され、会場はほぼ満席状態でした。参加者の年齢層は70代が中心で、次いで65歳から69歳までと...
この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

村田 裕之をフォローする
メディア新聞・雑誌
シェアする
村田裕之オフィシャルサイト
タイトルとURLをコピーしました