親が元気なうちに話しておきたい大事な25のこと

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8月25日 青春出版社 BIG Tomorrow 10月号

親の老後問題は元気なうちに対策を考える!

BIG-tomorrow1110-1「その日は突然、前触れもなくやってきます。脳卒中や心臓発作、転倒→骨折→寝たきりなど、親の入院から始まる介護問題。介護生活の始まりによって、次々に突きつけられる難問、トラブルの処理に翻弄され、離職や同居など、子は自分の人生プランの変更を余儀なくされることすらあるのです」というのは、高齢社会研究の第一人者の村田裕之さんです。

親の介護が必要となった場合、誰がするのか、介護費用は誰が出すのかなど、親族間でトラブルになるのはよく聞く話です。

親が一人暮らしの場合、さらに深刻です。家の鍵が見つからない。保険証がどこにあるかわからない。暗証番号も知らないからお金も引き出せない。搬送先の病院で聞かれても、親の持病、飲み薬、生活(食)習慣、体調の変化について何も答えられないといった問題が起こります。

「もっと親に会っておけばよかった、元気なうちに、聞いておけばよかった、兄弟間で役割分担を決めておけばよかったと悔やんでも後の祭り。親が元気で若いほど、心構えもできていない子どもは多いでしょうから、パニックになるのは目に見えています」

大切なのは、親とコミュニケーションをとり、日頃から何でも話せる、話を聞ける関係をつくっておくこと。親子の距離が近ければ、親の体調の変化に気づくことができるので、病気やケガにもを未然に対処できることもできます。

「要介護や寝たきりの原因の上位にある、脳卒中や転倒骨折などは、食生活の改善や日頃の運動で筋力トレーニングをつけることで回避できる可能性が大きい。親の生活習慣に対して、子が気遣う気をつけてあげることで、要介護する期間の可能性を小さく先送りさせることができるのです」

また、老後の暮らしや介護、相続、遺言、葬儀の出し方にお墓など、シビアなテーマほど問題を先送りにしがちですが、親が元気なうちに聞いておくべきだと村田さんは指摘します。

「…というのも年をとれば、記憶思考力が落ち、適切な判断が難しくなっていく場合も多いからです。トラブルが起きてから対処するのは大変な手間とお金がかかるからです。」

“親孝行が”親の心身の健康維持をサポート!

定年後にひきこもってしまう人がいます。在職中、自宅と職場の往復で熱心に働き、退職したら行く所がない緊張の糸が切れてしまったという男性に多く見られます。このまま刺激のない生活を続けていけば、ますます老いていくばかり…。

「講演を行うと、外出したがらない夫を外に連れ出したいがどうしたらいいか、という質問を受けることがあります」(前出・村田裕之さん)

妻に言われ、ますます意固地になってしまう夫でも、子どもに誘われて外出するようになったというケースは意外に多い、と村田さんは指摘します。

「打算的な考えで親孝行をすすめるわけではありませんが、子どもが親の心身の健康をサポートすることは、自分に返ってきます。親の介護に振り回されずに、自分のための時間を使うことができるわけですから」(村田さん)

認知症の予防には①脳を活性化させる活動をする、②生活習慣病を避ける、③適度な運動をする、のがよいことだといわれています。

「たとえば、お父さん、メールやろうとIT機器をプレゼントして、やり方を教えてあげれば、脳の活性化につながります。食事のときに“醤油かけ過ぎだよ”と、生活習慣の改善を誘導し、家で測れる血圧計をプレゼントする。こういったさりげない気遣いが、親にとっては、たまらなくうれしいものなのです」(村田さん)

親が元気で過ごせるようにサポートする、長生きさせることが、親にとっての最高の親孝行であり、子にとっての最高の幸せとメリットにもなるのです。

参考:「親が70歳を過ぎたら読む本

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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