8月24日 日本経済新聞 夕刊
8月24日の日本経済新聞夕刊「高齢ドライバー 車の運転断念どう説得」という記事に村田のコメントが掲載されました。
近年若者の車離れが顕著になっていますが、これは鉄道など公共交通機関が発達している首都圏など都心部で生活している人の場合。こうした公共交通機関があまり発達していない地方では、車なしでの生活は大変な不便を強いられるのが現状です。
行政により免許返納制度は実際に車の運転を辞めた時のサポートが不十分のため、利用のインセンティブが弱く、認知症高齢者の事故防止などの面であまり機能しているとは言えません。
「買い物弱者」と揶揄される高齢者向けに出張型サービスや宅配サービスなどが最近ようやく増えつつありますが、民間企業による新たな発想のサービスがさらに期待されます。以下は記事コメントの抜粋です。
第三者から説明 楽しみを一緒に探す
結局、父親は世話になったケアマネジャーの説得に応じ、運転をやめた。「家族が説得しても、身内ゆえの甘えから感情的になってしまうことも多い。信頼できる第三者から言ってもらうと案外聞き入れてくれると思う」とB子さんは話す。
免許を手放せない事情もある。特に交通手段の少ない地域では車が生活の足になっており、代替の移動手段の確保や車を使わずに生活できる支援策が必要だ。警察と企業が連携して、免許の自主返納者にバスやタクシー、宅配業者などの割引サービスを提供する動きも広がっている。しかし、告知不足で利用実績も少なく、割引率も不十分で魅力に乏しい。
高齢者問題に詳しい東北大学加齢医学研究所の村田裕之特任教授は民間活力に期待する。「財政難でコミュニティーバスなどの公共交通機関の拡充は望めない。むしろ大型スーパーなどがバスを走らせて高齢者を送迎したらどうか。病院に立ち寄れば、買い物と通院需要にこたえられ、固定客も獲得できる」