重要なのは、施設経営者の思いを伝えること

新聞・雑誌

あいらいふ 9月号 私の「介護・医療記事」の読み方

介護事業者向け雑誌 あいらいふ9月号の『私の「介護・医療記事」の読み方』にインタビュー記事が掲載されました。

最近有料老人ホームでの事故や不祥事のニュースがメディアで報道される例が増えています。高齢者住宅や介護事業の経営者が自ら経営理念を語る例は一部を除くとまだ少ないと思います。介護事業の経営者がメディアにどう対処すべきかというインタビューを受けましたので、私の考えをお話ししました。

重要なのは施設経営者の思いを伝えること。もはや、新聞広告だけでは経営者の言葉は消費者に届かない

海外のニュービジネス事情に詳しく、国内においても、シニア向け事業を多数プロデュースする村田裕之氏。同氏は、こうしたビジネス上のスタンスから、新聞などのマスメディアをどうとらえ、「介護事業者は、どう現在のマスメディアを事業に活かすべきか」と考えているのでしょうか。

経営者は、まず地道に自分の考えを「口コミ系メディア」で発信すべき

有料老人ホームなどの高齢者施設事業で重要なのは、経営者が自らの言葉で思いを伝えることです。とはいえ、それを新聞広告で行っても、広告臭さがにじみ出てメッセージが伝わりにくくなります。

そこで活用したいのは、真摯な思いが伝わりやすいブログやSNSなどソーシャルメディアです。事業を手掛ける理由や目的、どんなライフスタイルを提供したいと考え、それをどう実現していくのかという理念やビジョンを、経営トップがブログやフェイスブックなどで発信し、共感の輪を広げていく。

また、ソーシャルメディアで発信することで注目され、新聞や雑誌の取材で取り上げられる可能性も高くなります。宣伝をしたければ、宣伝ではなく、自分たちの考えを整理して発信したほうがよい。その方が結果として費用対効果の高い情報発信につながります。

介護に関する新聞記事について、説得力のあるのは介護経験のある人が書くことです。それによって短い文章でも「よそゆき」ではない血の通った記事になります。また、経済紙であれば経営的な視点でホームの運営企業の事業や戦略を分析するなど、一般読者からは見えにくい角度からの事実の提示や問題提起も期待したいところです。

いろいろな制約はあると思いますが、新聞の1面に週に1度くらい、読者の声なども交えて「言いたい放題」のことを言う、とんがったコーナーがあってもいいのでは。「ネット上の匿名の悪口」とは違い、責任を持って言うべきことを言う、その姿勢を伝える意義もあります。新聞でも老人ホームでも、賢明な読者や消費者は、その背後にある思いや姿勢を注意深く見ています。

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