親・兄弟・子・孫たちが牽引する「家族市場」

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オムニマネジメント2月号 特集 親・兄弟・子・孫たちが牽引する「家族市場」

日本経営協会の機関誌「オムニマネジメント」2月号特集に「家族市場」に関する拙稿が掲載されました。以下にその抜粋を転載します。

家族市場とは何か

家族市場には、まず「親・兄弟・配偶者・子・孫が形成する市場」がある。これには扶養義務(子供・孫の世話、子供の教育、就活支援、婚活支援、親の介護など)から支出するもの冠婚葬祭(七五三、進学、結婚、葬式、墓、法事)といったセレモニーのために支出するもの互いの愛情や絆を深める(誕生日、記念日など)ために支出するものがある。

これに加えて、少子・超高齢社会の到来で「ペット市場」という疑似家族市場も大きくなっている。ペット市場も親・兄弟・配偶者・子・孫が形成する市場と似た構成となっているが、最近特に目立ってきているのがペットの長寿化による医療市場や老犬ホームといった介護市場、葬儀や墓といった葬祭市場である。

さらには、家族やペットの代替としてのコミュニケーション・ロボットのような「ロボット市場」も少しずつ存在感が増している。「ロボット市場」も疑似家族市場の一種である。

本稿では、「親・兄弟・配偶者・子・孫が形成する市場」「ペット市場」「ロボット市場」を総称して家族市場と呼ぶことにする。

他の一般的な市場に比べた家族市場の特徴は、家族であることの関係性によって需要が生まれることにある。このため、誰もが一定の時期になると必要な出費が多く、比較的景気の波の影響を受けにくい性質がある。

家族市場を読むカギは何か

私たちがモノやサービスを購入するのは、何かの変化が起きた時である。家族市場でも同じことが言える。すなわち、家族の構成員である「親・兄弟・配偶者・子・孫・ペット」の各々に何らかの変化が起こると、他の構成員に影響を及ぼし、新たな需要を促す。

また、少子・超高齢社会の到来で、家族の構成員どうしの関係性が従来と変化している。この変化も新たな需要の要因となっている。

したがって、家族市場を読むカギは、「家族構成員がどのように変化しているのか、その背景が何か」「家族の構成員どうしの関係性が従来と比べてどう変化しているのか、その背景が何か」を注意深く見ることだ。そうした例をいくつか見てみよう。

成功するシニアビジネスの教科書
第6章   いかにしてシニアの消費心理を踏まえた商品提案をするか?――財布のひもが緩むカギは「解放段階」と「家族との絆」

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