保険依存から脱却を シニアの消費行動正しく理解

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高齢者住宅新聞 5月27日 介護BIZ

介護報酬の減算や保険財政への不安から、保険外サービスを新たに始める介護事業者が目立っている。長年アクティブシニア向け商品の開発支援を行ってきた、村田アソシエイツ(東京都港区)の村田裕之代表は、介護事業者に対して「介護保険サービスに依存しないビジネス強化」を呼びかける。まずは保険外サービスの市場を知ることが大切だという。

―今回の介護報酬改定を受けて、介護事業者を取り巻く状況をどう捉えていますか

村田 介護事業者は介護保険に依存しないビジネスモデルに転換していくべきです。保険外サービスは介護サ―ビスの延長と捉えている人が多いのですが、マーケットは全く別物です。「既存事業を活かしてどうサービスを作っていけばいいのか、何から考えていいのかわからない」との課題を多くの事業者が抱えているのが現状だと思います。

―アクティブシニアから認知症高齢者までを対象とした多様な商品開発に携わってきました。

村田 主に大手企業から依頼を受けシニア向けサービスの新規開発を手掛けてきましたが、企業からの相談で最も多いのは「シニアの消費行動の特徴は」「これからの消費行動はどうなっていくのか」といった内容です。シニア層はお金持ちで、日常消費も多いなど、おおざっぱで実は間違った捉え方をしている人が多く見受けられます。まずは正しい認識を持つことが大切です。

―シニアに受け入れられるサービスを生み出すためには

村田 過去15年間で携ってきたシニア向けサービス開発を昨年、書籍「成功するシニアビジネスの教科書」(日本経済新聞出版社刊)にまとめました。そこでは、「消費行動の背景」から「ビジネスチャンスの見つけ方」、「ビジネス発想のためのヒント」、「ニーズの把握」と「財布のひもが緩む商品開発・提案」、「商品をどう顧客に届けるか」など、実際の商品開発の手順に沿って紹介しています。

保険外サービスと言えば、多くの在宅介護事業者が家事代行を開始しています。当然多くの事業者が家事代行を開始すれば競争が激化し、事業はより困難になっていきます。介護事業者は今まで介護保険サービスだけ提供していればいい時代でしたが、これからはそうではありません。保険外サービスのマーケットを知り、自社の強みを活かしたサービスを創造していくことが求められます。

成功するシニアビジネスの教科書
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この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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