団塊世代をミクロで見れば「新消費」が浮かび上がってくる

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2006年5月2・9日合併号 週刊エコノミスト

「07年問題の誤解」が生まれる背景には「団塊世代は大きな塊」という固定観念が根強いことがある。

しかし、高度成長時代と、モノにあふれた縮小経済時代の現代とでは市場の性質も大きく異なる。ライフスタイルの多様化は消費スタイルを多様化させ、高度成長期のマス・マーケットを「多様なミクロ市場の集合体」に変えたためだ。

だから、団塊世代の行動は、世代(コーホート)効果というマクロの視点だけではとらえられない。むしろ、対象とする顧客の加齢による肉体の変化、本人や家族のライフステージの変化、時代性の変化といった個人をとりまくミクロな視点が重要となる。この視点で顧客の周辺を見直すと、新たな消費の切り口が見えてくる。

(中略)

ただ、この「第三の場所」の本質は、実は物理的な場所ではなく、その場所に存在する「機会」である。サラリーマンは、現役時代、勤務先から提供される有形無形のさまざまな機会を受け取っていた。したがって、退職で喪失するこうした機会を補完する「機会提供の場」としての「第三の場所」が、これから求められていく。

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