どう読み解く団塊市場のこれから

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2010年6月2日 あんしんLife 6月号

市場の「不」を見つけ出し 新しい価値の創造を  

私が日本に紹介した女性専用フィットネスの「カーブス」は、団塊世代の高い支持を受けて拡大を続けていますが、これは中高年女性が従来のフィットネスクラブに抱いていた様々な「不満」を解消して進化したものです。

例えば、男性の汗のついた器具は使いたくない、運動している姿を男性に見られたくない、できるだけ短い時間で済ませたい、といった中高年女性の声を商品に反映し、女性だけで安心して、安く手軽に続けやすい…という新しい価値を創造したのです。  

実はこうした不安、不満、不便など「不」の解消は団塊市場を考えるうえで重要なカギになります。一見飽和して見える市場でも、その周辺には必ず顧客の「不」があります。それを見つけ出し、商品に転換することが大切です。

若者向けの携帯電話の操作不便を解消した「らくらくホン」や脳機能低下の不安を楽しみながら解消できる「脳トレ商品」なども同じ例です。  

もう一つは、「一人でも楽しめる価値」に着目すべきです。これは高級レストランに一人で行きたい、温泉宿に一人で泊まりたいといった需要です。高齢単身世帯の増加だけでなく、夫婦でいても一人の時間を楽しみたいというニーズは今後増えていきます。  

中小企業の強みはトップの決断の早さにあります。その強みを活かし、多様なニーズに合わせてフットワーク良く事業展開していけば、ビジネスチャンスはいくらでもあるでしょう。

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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