HRI Report3月号 特集
百五経済研究所が発行する月報の特集への寄稿「シニア市場の展望と地域におけるシニアビジネスの可能性」が掲載されました。
シニア市場に参入して苦戦する事例が依然多いのが実情です。特集ではシニア層の消費の実態から、地域におけるシニアビジネスの可能性についてデータも交えて解説しました。
シニア市場の特徴 その1:多様なミクロ市場の集合体
日本は人口減少社会と呼ばれているが、シニア人口は今後も継続的に増加する(図表1)。したがって、シニア市場も今後確実に増大する。
ただし、注意して欲しいのは、人数が多いからと言ってシニア市場がいわゆる「マス・マーケット」として扱えるとは限らないことだ。 かつて市場のボリュームゾーンとされてきた団塊世代(1947年~49年生まれ)が含まれることもあり、多くの企業はシニア市場を巨大なマス・マーケットと見なしがちだ。
だが、シニア市場とは、実はマス・マーケットではなく、「多様なミクロ市場の集合体」である。この「多様性市場」としての認識を誤ると市場参入してから苦戦する。
(中略)
自社の強みや地域の強みをとことん活用する
これら地方発シニアビジネスの共通点は、自社の強みや地域の強みをとことん活用していることだ。これらの強みは、当事者自身が案外気付いていないことが多い。
だが、こうした強みというのは、当事者以外の外部者から強みに見えることなのである。地方は田舎で、人も少なく、強みが何もないと考えるのではなく、大市場のある地域から見て、何が強みに見えるのかを探し出すことが重要なのである。
市場が飽和しているのではない。市場を見るわれわれの目が飽和しているだけである。ビジネスチャンスは、実は自分自身のなかにあるのだ。