定年退職後の居場所作り

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読売新聞 定年退職後の居場所作り

2024年1月16日 読売新聞 男らしさって?第7回

退職後の男性をいかに地域に引っ張り出すかが課題といわれるが

読売新聞の連載記事に私への取材を基にしたコメントが掲載されました。記事中で、北区いきがい活動センターの担当者が「退職後の男性を同地域に引っ張り出すかが課題」とのコメントを受けて、次の通り紹介されています。

高齢者のライフスタイルに詳しい東北大特任教授の村田裕之さんは、「軽々しくおしゃべりするのは女性がすること」といった固定概念や、女性と話すことへの苦手意識が地域に入る男性の障壁となっている、と指摘する。

村田さんは「離職後のシニア男性は社会的意義を感じると動く。次世代の役に立つなど、やりがいのある活動につなげる仕掛け作りが必要だ」と話した。

実は私は、退職後の男性の社会参加促進について、2011年9月28日の読売新聞 論点「定年後の男性の社会参加 女性主導で巻き込め」で5つの提言をしています。あれから13年経過しましたが、原稿執筆当時の状況は今もあまり変わらないようです。

13年前に比べ定年後も離職しない人が増え、ICT機器の利用率も高くなった

一方、13年前との違いは大きく2つあります。1つは、60歳だった定年が実質65歳まで伸び、かつ、定年後も離職せず、何らかの形で仕事を続ける人の割合が増えたこともう1つは、パソコンやスマホなどのICT機器の利用率が定年前後の年齢層でも高くなったことです。

この傾向がしばらく続くとすれば、離職せず仕事をしている時には地域活動に参加しなくても、職場勤めという形で社会参加が続いており、違和感がないでしょう。

また、かなり高齢になって離職したとしても、ICT機器でコミュニケーションできれば、「知縁」による仲間とつながって余暇を楽しむことができ、無理して地域デビューする必要もなくなるでしょう。(知縁とは「知的好奇心で結ばれる縁」という私の造語)

この場合、ネット上のつながり、コミュニティがその人の居場所となるわけです。

今回の記事のタイトルは「定年退職後の居場所作り」ですが、実は「定年退職」と言う形態や「退職後の居場所」の概念が変わりつつあるのです。

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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