知縁:知的好奇心が結ぶ新たな縁の提唱

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ハーバード大学ILRのクラス風景

知縁とは何か

知縁(ちえん)とは、「共通の興味」をもつ人たちとの知的好奇心が結ぶ縁です。それまでの血縁、地縁、社縁に代わる「第4の縁」として、私が2001年12月に最初に提唱した考え方です。その後、2002年3月30日の日本経済新聞への寄稿で広く知られるようになりました。

従来の「地縁」「社縁」が自分の所属する「場」によって生れる縁なのに対して、「知縁」は、自分と他人との「共感」によって生れる縁です。

無縁社会という言葉が一時期聞かれましたが、無縁社会も知縁社会も家族構造の変化と情報機器の普及の結果、より先鋭化して出現してきたという点において共通のものです。

なぜ、退職後の第二の人生で知縁が重要になるのか

現役サラリーマンの人的ネットワークは、勤めている会社から生じる「社縁」が中心であり、住む土地から生じる「地縁」は少ない場合が多いです。一方、女性、特に主婦の場合、学校や地域での活動を通じて「地縁」による人的ネットワークを持っていることが多いです。

現役サラリーマンが退職すると、この「社縁」の大半が無くなる一方で、「地縁」は退職したからといって直ぐにはつくれないため、「人的ネットワーク枯渇症」になりがちだからです。

「知縁」作りでは個人メディアが重要なツールになる

「知縁」による人的ネットワークつくりにおいては、インターネットによる「個人メディア」の活用が重要です。なぜならば、ホームページやメールマガジン、SNSで発信した自分の情報が、見知らぬ人との「共感」を生み出すきっかけになりやすいからです。

個人メディアの活用で重要なことは、自分がどんな縁を求めているのかを明らかにすることです。つまり、退職した後に自分がやりたいことは何か、自分は何を求めているのかを退職以前の段階からよく整理しておくことです。

この整理により自分の情報発信の目的、中身が明確になります。逆にこれがはっきりしていないと、手間暇かけてホームページをつくり、メールマガジンを発行しても、目的なく名刺交換するだけの異業種交流会のように縁つくりはうまくいかないでしょう。

知縁 参考資料

スマートシニア・ビジネスレビュー Vol.7 2001年12月25日
「第4の縁」がシニアの街づくりを促す

日本経済新聞 2002年3月30日号
定年後の過し方 新しい「縁」でいきいき

シニアビジネス『多様性市場』で成功する10の鉄則 (ダイヤモンド社)
第9章 知縁/居住コミュニティでは「知的刺激」が求心力になる

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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