シンガポール初のシルバー産業会議の基調講演者として招聘されました

国際活動

2008年1月9日-15日 Silver Industry Conference & Exhibition (SICEX), Singapore

SICEX(Silver Industry Conference & Exhibition)とは

2008年1月にシンガポール政府主催で初めてシンガポールで開催されたシルバー産業のための国際会議と展示会のことです。

シンガポール建国の父、リー・クアン・ユー元首相・顧問相の肝いりで大々的に開催されました。このイベントをきっかけに、シンガポールの高齢者政策とシルバー産業育成の動きが本格的に始まりました。

私は、シンガポール政府から基調講演者として招聘され、2日の最初の基調講演を行いました

その時の様子が翌日のシンガポールの日刊紙The Strait Timesに顔写真入りでリー・クアン・ユー顧問相の記事の隣に大きく取り上げられました。

また、メディアの関心が非常に高く、ブルームバーグTVへの生出演をはじめ、3つのテレビ局、5つの新聞社・出版社から個別インタビューを受けました。

このイベントへの参加以降、シンガポールの政府や多数のNPO、企業から訪問を受け、仕事の依頼が増えました。

高齢社会対策をビジネスで解決する姿勢に高い関心のシンガポールの人々

私の仮説は、高齢社会への対応の面で「日本は21世紀の世界のモデルになる」。私にとって初めてのシンガポール訪問は、 まさにこのことを強く体感したものとなりました。

シンガポールでの開催にも関わらず、タイ、マレーシア、インドネシアなど周辺国からも多くの参加者が集まっていました。

また、リー・クアン・ユー元首相・顧問相が参加したこともあり、メディアは連日のように報道していました。

2日目の基調講演だった私のスピーチに対しては聴衆の反応がもの凄かったです。こちらの話す一言ひとことに対して逐一敏感に反応があり、熱気がみなぎる雰囲気でした。

そのことが聴衆の真剣な雰囲気を醸成しているのは明らかでした。こうした雰囲気は講演者をも真剣勝負に引きずり込みます。

高齢化率世界一の日本と比べ、シンガポールの高齢化率は8%。ようやく「高齢化国家」の仲間入りをしたところで、シルバー産業などまだ遠い先のように見えます。今回の展示会出展者も街を歩いている人たちも何となく若い人が目立ちます。

しかし、参加者は日本円で4~6万円の参加料を支払っていました。これだけの参加料を払ってまで来る人は、単なる冷やかしではなく、相当意識が高い人です。

滞在を通じて痛感したシンガポールという国の可能性

シンガポールを眺めると日本の都市部との共通点は多い。淡路島程度の国土面積に440万人が住み、国の至る所に高層アパートが立ち並ぶ都市型国家です。

一方、日本にない独自性も多い地政学的な要所であり、交通の便がよい。シンガポール港もチャンギ空港も世界の交通のハブとなっています。

資源も乏しいのに一人当たりのGDPは日本並み。生活水準の高い先進国です。女性の社会進出が進んでおり、出生率は日本同様1.0程度で少子化による問題が顕在化しています。

もともと大英連邦の一員なので共通言語は英語であり、中国語訛の強い「シングリッシュ」ですが、よどみなく話します。そして、積極的な外資誘導策により、多くの多国籍企業が拠点を置いています。

これらの背景から、シンガポールは世界中から情報が集積する「情報の交差点」となっているのです。

動き出したシンガポールのシルバー産業

こうした側面を眺めると、シンガポールでは「都市型高齢社会向けサービス産業」が発展していく、という将来像が見えてきます。その萌芽はすでにあります。「メディカル・ツーリズム」がその一つです。

メディカル・ツーリズムとは、簡単に言えば、治療や手術を受けるために他国に旅行することです。アメリカではメディカル・ツーリズム市場が毎年30%成長しており、2010年までに400億ドル市場になると言われています。メディカル・ツーリズムでのアメリカ人の行き先は、インド、タイ、ドバイが多いです。

一方、シンガポールの場合、中国大陸からの来客が多い。毎年30万人を超える中国人がメディカル・ツーリズムでシンガポールを訪れています。

彼らの多くは年配の中国人です。英語が第一言語のシンガポールも中国系住民が7割であり、かなり多くの人が中国語も話します。

メディカル・ツーリズムは、医療と観光という高い技術力とホスピタリティとを組み合わせた複合サービス産業です。金融、観光、IT、バイオなどのサービス産業が得意なシンガポールにはお手の物と言えましょう。

シンガポールを高齢化率8%の若い小国と思っていたら見誤るでしょう。明るく熱心で謙虚な若い世代が、何十年も先の国の将来を見据えて本格的な取り組みを始めている姿は、同じアジアの一国として他人事のように思えません。

私にとって初めてのシンガポール訪問は、明日の日本と世界を考えるのに多くの示唆と刺激に満ちたものとなりました。

2008年1月12日号 THE STRAITS TIMES(シンガポール最大の英字日刊紙)の記事

IN JAPAN,silver-haired citizens and college students will soon study and lunch side by side in Kansai university,Osaka.

The elderly are in their late 60s and 70s,and belong to a new college-linked residential community to be launched this June.

Called Club Encourage,the facility provides independent living units as well as nursing care. It is located in Mikage,which is 30 minutes away from the university campus.

Every day, the more independent seniors will be ferried by shuttle bus to school where they will attend lessons on history, philosophy and music alongside younger university students.

By interacting with the students,the elderly are exposed to stimuli that will keep their minds active, said Dr Hiroyuki Murata,an opinion leader on ageing issues in Japan and management committee member of Club Encourage.

Dr Murata, who was speaking at the Silver Industry Conference yesterday, highlighted this project as one of the many creative solutions being designed in Japan to cope with its rapidly graying population.

Nearly one in five Japanese is older than 65 because of declining birth rates and greater longevity. Dr Murata said research done by the Japanese government showed that 71 percent of Japanese who are older than65 do not want to burden their children and prefer to live on their own.

Also,the physical distance between parents and their children is growing.To help close this gap, the I-Pot,an electronic teapot,is able to help children keep track of their elderly parents’well-being discreetly.It notes the times of use of the teapot, and sends the data to the recipient’s mobile phone.A period of inactivity, for example, may suggest that something is amiss.

Dr Murata also said that more job opportunities are being created for the elderly. Pointing to Japanese company Irodori, which specializes in leaves and flowers as food garnishes, he said it employs older workers to pluck persimmon and maple leaves that are then sold to restaurants.

Another organization, the Silver Personnel Center, which specializes in job placement for the elderly, has a voluntary neighborhood watch group made up of elderly men.Using bicycles, patrol areas near school, keeping a look-out for suspicious characters who could harm the children.

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