脱・リタイアという流れ:リタイア・モラトリアム

リタイア・モラトリアム すぐに退職しない団塊世代は何を変えるか 新聞・雑誌
リタイア・モラトリアム すぐに退職しない団塊世代は何を変えるか

2007年9月4日 Webook of the Day 今日の一冊

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++   Webook of the Day    from LA
+++    http://webook.tv
++   Book diary by Shinnosuke Matsuyama

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   脱・リタイアという流れ・・・

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●今日の一冊:【リタイア・モラトリアム】

   すぐに退職しない団塊世代は何を変えるか

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   |村田裕之/著    |日本経済新聞出版社|2007年08月
   |ISBN:4532490138|1,600円|221P
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<本のひらめき>

2007年問題・・・という言葉があった。団塊の世代が一斉に退職して、労
働者不足や技術の継承ができずに大きな社会問題になる・・というのが200
7年問題だった。

そして今、その2007年になって、誰もそんな言葉(2007年問題)を口
にする人はいない。ふと不思議に思う。

村田さんは、その答えを「一斉には労働市場から姿を消さなかった」からと喝
破する。そのことは村田さんは以前の著書や様々な場での発信でおっしゃって
いたことだった。定年者の半数以上が企業から再雇用されていたのだった。

かわりに、何が起きたか・・・。

それを、「リタイア・モラトリアム」という問題として本書は展開する。
モラトリアムとは猶予期間。つまり、定年退職でリタイアするはずの人が、し
ばらくリタイアしないためにおきる問題、である。

再雇用ということは、元部下が自分の上司になるのである。気まずい雰囲気が
ただよっても不思議ではない。

さらに、それで社会問題になるかといえばそんなことはなく、新たな団塊世代
のライフスタイルが登場する・・と村田さんは予測する。それが「脱・リタイ
ア」というライフスタイルだ。

団塊世代の心理的な変化(開放段階へ)、スポーツクラブに60歳男性が殺到、
時間ゼイタク型の消費、自己表現型消費への変化、個人資産の拡充より個人カ
ンパニーへなど・・・、団塊世代の様々な変化を、経験者の声などをまじえて
そこにある未来がリアルに描かれる。

そして、それに応じ製品やサービスの内容も変化する。退職者問題でも先をい
くアメリカの最新事情などを紹介しながら、あらたなビジネスの予兆を探る。
「消費者から語り部へ」、「使い手から担い手へ」など発想転換のヒントがい
っぱいある。

高齢社会の大きな流れを、本書から読み取り、脱・リタイアという新たな地平
を考えてみよう。

団塊世代の方も、若い世代の方も、個人も企業人にも、ひろがるヒントがいっ
ぱいの本。超オススメ!

<僕の思いつき>

本書でも、いくつかのワクワクするヒントがあった。

 遊び心をくすぐる「ブラックボックス開放型商品」がうける

 贅沢時間型消費→自己表現型消費
 情報収集型消費→文化体験型消費→人脈拡大型消費

 アメリカの60代に増える「HOHO(ホーホー)」
 (His Office Her Office)

ジェイカレッジ in Viena の企画が最終段階になってきた。そのツアーの元に
なった「国境なき合唱団」( http://www.jalbrand.co.jp/dai9/ )というチャ
リティーツアー企画は、まさに本書にあるような団塊世代の脱・リタイアメン
トの時代にふさわしい内容がある。
「時間を楽しむ、文化を楽しむ、お役立ちを楽しむ」という素敵な内容だ。

団塊世代を親にもつ若い方は、今日の本といっしょにぜひオススメいただきた
い・・・。(ちょっとPRモード)笑

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<オススメ度>

   ★★★★★+脱・リタイア

<読んで欲しい方>

   ・定年後の暮らしを考えたい方
   ・団塊世代の消費行動を知りたい方
   ・リタイア・モラトリアムの深層を知りたい方

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