2026年10月19日 村田裕之の活動
先行する未来から学ぶ超高齢社会への処方箋
11月12日に韓国・ソウル市明洞で開催の2026 fnシニア産業コンファレンスで基調講演をすることになりました。fnとはfinancial newsの略で、韓国の金融ビジネス系メディアです。
コンファレンスのテーマは、「Aging Japan, Aging Korea―先行する未来から学ぶ超高齢社会への処方箋」。私は冒頭に「超高齢社会における日本の構造変化とシニア産業」という大きなテーマでの講演を依頼されています。
講演で韓国に行くのは2013年以来、13年ぶりです。シニアビジネス関連で韓国メディアに最後に取材を受けたのは2014年のKBSの特集番組でした。
2006年頃、韓国のシニアビジネスがブームにならなかった理由
私の著書のうち「シニアビジネス」(2004年出版)、「団塊・シニアビジネス 7つの発想転換」(2006年出版)、「シニアシフトの衝撃」(2012年出版)は全て韓国でも翻訳出版されています。


しかし、取材を受けたり、講演に招かれたりしても、当時は肝心のシニアビジネスそのものの話が韓国国内で少なく、数年後にフェイドアウトしていました。
この理由は、簡単に言えば、まだ市場がなかったからです。2005年の高齢化率は9%で、日本の20.1%に比べてかなり低く、需要が少なかったことに加え、一人当たりのGDPも低かったのです。
当時韓国の人と話すと、「韓国の高齢者は貧しくてお金を持っていない」と口を揃えて言われたものでした。
1950年から53年までの朝鮮戦争のために、韓国のベビーブーマーは、日本の1947年から49年に比べて8年遅く、1955年から1963年までとなっています。当時の「韓国の高齢者」とは、ベビーブーマーよりも年齢が上の世代なので、日本で言えば、戦中、戦前の世代です。
ようやく韓国のシニア市場もビジネスが活発化する必要条件が揃った
それから20年以上が経過し、韓国の状況も変わりました。高齢化率は、2025年で20.2%まで上昇し、ほぼ超高齢社会(21%超)に近づいています。
一方、IMF統計によれば、韓国の一人当たりGDPは2025年で36,408USドル。対する日本は36,119USドル。ドルに対する円安のせいもありますが、韓国の方が日本より大きくなっています。
これらの数値から、韓国のシニア市場もビジネスとして活発化する必要条件が揃ったと言えます。
他方、2025年の合計出生率では、日本1.14に対して韓国0.8で、日本以上に少子化が進んでいます。この影響もあり、2020年以降、韓国の高齢化速度は急上昇し、世界で高齢化速度が最も速い国になっています。
2045年には日本よりも高齢化率が大きくなり、世界最高の高齢国家になると予想されています。
人口構造変化を危機ではなく、新たなビジネス機会とみなす必要性
主催者のfinancial newsは、この急速な人口構造変化を危機ではなく、新たなビジネス機会とみなす認識の大転換が必要だと考えています。
シニアビジネスの面で、韓国よりも25年以上先を行く日本の経験知を学び、吸収したい希望は強く、今回のコンファレンスがそのスタートになるものと思われます。
韓国fnシニア産業コンファレンスのページ(日本語に翻訳可能)




