2017年3月28日 東北大学
東北大学は、4月1日付けで認知症の超早期二次予防、一次予防の確立を目指す世界初の研究組織「スマート・エイジング学際重点研究センター」を創設します。
日本は先進国中、最も高齢化の進んだ超高齢社会(高齢化率27.3%、2016年9月現在)で、認知症人口は認知症予備軍を含め現時点で800万人以上と推計されています。
認知症による経済的損失は、医療費・介護費など年間14.5兆円に上ると試算されており、認知症予防対策の社会的ニーズは極めて大きいといえます。
このような超高齢社会では個人や社会が活力を維持するために「一人ひとりが、時間の経過とともに、高齢期になっても健康で人間として成長し続け、より賢くなれること、社会全体としてはより賢明で持続可能な構造に進化すること」(スマート・エイジング)が求められ、その実現に向けた研究推進が必要です。
今般創設する「スマート・エイジング学際重点研究センター」は、国内外の研究者と連携し、東北大学が総力を挙げて、このスマート・エイジング実現に挑戦するための学際研究拠点です。
また、東北大学が運営し、異業種企業52社(3月28日現在)が参加予定の「東北大学スマート・エイジング・カレッジ東京」を通じて、その研究成果を企業に還元し、産学連携による認知症ゼロ社会実現のための商品・サービスの開発、必要な人材育成を推進します。
詳細は次のプレスリリースを参照ください。
なお、予防医学には三段階あり、一次予防(病気にならない、健康増進)、二次予防(早期発見、病気をこれ以上悪化させない)、三次予防(リハビリ、保健指導による機能回復、社会復帰支援)に分けられます。現在行われているアルツハイマー病の治験は二次予防の中で組み立てられていて、治療薬の開発は二次予防の実現を目的にしています。
「スマート・エイジング学際重点研究センター」が目指すのは、超早期二次予防、一次予防の確立です。