先見経済 2011年4月1日号

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先見経済 2011年4月1日号 トップリーダーの本棚 経営者が「今」読みたい本

老親と自分の将来に備える

昨年1日号の連載「スマート・エイジング・カンパニーの挑戦」に引き続き、現在は15日号の「親と自分の老い支度」でおなじみの村田裕之氏。長年中高年向けの事業開発の仕事に携わり、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジング国際共同研究センターの特任教授などを務める。

その著者が、老親を持つ現役ビジネスパーソンやその家族に起こり得る諸問題を未然に防ぐため、あるいは問題が起きてもダメージを最小限に食い止めるための対処法をまとめたのがこの本だ。  

例えば、老人ホームの選び方。「うちの親はまだ元気だから大丈夫」と考えて、親が倒れて生活が急変してから準備に取りかかっても間に合わない。現実的には、自宅での介護、親族の家での介護、有料老人ホームヘの入居という選択肢を迫られることになる。

仮に老人ホームを選ぶ場合、基準とすべきは何か。「『高価なホーム=いいホーム』とは言い切れない」と著者は言う。ここで事前に確認しておくべきチェックポイント、老人ホーム特有の償却の仕組み、トラブルになりやすい事例について、〈すぐに使える〉情報を分かりやすく解説してくれる。他にも遺言書、認知症など、老齢の親と暮らしていれば、近い将来必ず訪れる問題と対処法が並ぶ。  

本書が他の専門書と異なるのは、あくまでも現役ビジネスパーソンを対象に書かれていること。問題が起こる前に「新しい生活常識」を持つことで、自分の生き方、将来を考えるきっかけを与えてくれるニュータイプの実用書だ。

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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