2007年5月号 T&D Hot Mail 特集 マクロ経済ゼミナール総集編
経済の成熟化がもたらす「モノ余り」の世の中が、シニアの消費行動の多様化を加速させています。かつて海外旅行は一生に一回行くかどうかのぜいたく品でした。
昭和60年代頃から格安航空券の普及や円高が追い風となり、一気に大衆商品になりました。旅行会社もさまざまな旅行商品を提供するようになり、買い手の選択肢が広がりました。「モノ不足」の時代は商品の選択肢も少ないので、買い手の消費行動も限られますが、「モノ余り」の時代は多様化が進むわけです。
(中略)
シニア世代をよく見渡してください。解消されていない「不」がいかに多いことか。年金や医療費などの老後の生活に関わる「経済不安」、要介護状態になることへの「自立不安」、ひとり暮らしになることへの「孤独不安」など挙げ出したら切りがありません。
飽和しているのは市場ではなく、実は私たちの頭の中なのです。顧客が抱えている「不」を見つけ出せば、新たな糸口がきっと見えてくるはずです。