シニア市場は多様なミクロ市場の集合体

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2007年5月号 T&D Hot Mail 特集 マクロ経済ゼミナール総集編

経済の成熟化がもたらす「モノ余り」の世の中が、シニアの消費行動の多様化を加速させています。かつて海外旅行は一生に一回行くかどうかのぜいたく品でした。

昭和60年代頃から格安航空券の普及や円高が追い風となり、一気に大衆商品になりました。旅行会社もさまざまな旅行商品を提供するようになり、買い手の選択肢が広がりました。「モノ不足」の時代は商品の選択肢も少ないので、買い手の消費行動も限られますが、「モノ余り」の時代は多様化が進むわけです。

(中略)

シニア世代をよく見渡してください。解消されていない「不」がいかに多いことか。年金や医療費などの老後の生活に関わる「経済不安」、要介護状態になることへの「自立不安」、ひとり暮らしになることへの「孤独不安」など挙げ出したら切りがありません。

飽和しているのは市場ではなく、実は私たちの頭の中なのです。顧客が抱えている「不」を見つけ出せば、新たな糸口がきっと見えてくるはずです。

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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