ブックレビュー:リタイア・モラトリアム

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2007年11月号 月刊レジャー産業資料

団塊世代の一斉退職がはじまるとされた2007年。だが実際は、定年退職者の多くが再雇用され、労働市場にとどまった。「『2007年問題』は大きな問題にはならなかった。代わりに『リタイア・モラトリアム』という新たな問題が出現した」―― 本書はそうした件からはじまる。

シニアビジネスの第一人者としてこれまで独自の視点で団塊マーケット論を一蹴してきた著者が、今回はリタイア・モラトリアムに伴うライフスタイルの変化に着目した新規マーケットの創出を予想。「解放型ライフスタイル」と称し、その受け皿となる商品やサービス機能が求められるというのだ。

健康産業や趣味・嗜好、情報産業など幅広い市場での実例を示しながら、消費志向を簡潔に約50のポイントにまとめ、新たなビジネスヒントが提示されており、価値の高いものとなっている。

団塊世代をターゲットにした同質的な商品やサービスが巷にあふれるなか、本書が示したヒントがどのように昇華され市場デビューしていくのか、楽しみである。

(本文より抜粋)

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