ブックレビュー:リタイア・モラトリアム

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2007年11月号 月刊レジャー産業資料

団塊世代の一斉退職がはじまるとされた2007年。だが実際は、定年退職者の多くが再雇用され、労働市場にとどまった。「『2007年問題』は大きな問題にはならなかった。代わりに『リタイア・モラトリアム』という新たな問題が出現した」―― 本書はそうした件からはじまる。

シニアビジネスの第一人者としてこれまで独自の視点で団塊マーケット論を一蹴してきた著者が、今回はリタイア・モラトリアムに伴うライフスタイルの変化に着目した新規マーケットの創出を予想。「解放型ライフスタイル」と称し、その受け皿となる商品やサービス機能が求められるというのだ。

健康産業や趣味・嗜好、情報産業など幅広い市場での実例を示しながら、消費志向を簡潔に約50のポイントにまとめ、新たなビジネスヒントが提示されており、価値の高いものとなっている。

団塊世代をターゲットにした同質的な商品やサービスが巷にあふれるなか、本書が示したヒントがどのように昇華され市場デビューしていくのか、楽しみである。

(本文より抜粋)

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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