団塊消費、鍵握る専業主婦の需要つかめ

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201236日 日本経済新聞電子版 消費を斬る

日本経済新聞電子版の「団塊消費、鍵握る専業主婦の需要つかめ」という記事に村田のコメントが掲載されました。以下は該当部分の抜粋です。

女性が鍵握る日常型の消費

ただ、こうした非日常型の消費にとらわれすぎると、07年の「リタイア市場不発」の轍(てつ)を再び踏むことになる。裾野が広いのはむしろ日常性の高い消費だ。団塊世代はある程度のフローの収入を見込めるため、消費意欲をうまく刺激できれば、日常的にお金を使う可能性がある。

この観点から見ると、実は女性こそが団塊世代消費のカギを握っている。ニッセイ基礎研究所の久我尚子研究員が指摘するように「リタイアの区切りがない女性は日常生活の延長上に老後の生活がある」からだ。

リタイア・モラトリアム』などの著書がある村田裕之東北大特任教授は非日常的なリタイア市場に期待する姿勢を「男性を主軸にした視点」と指摘、「シニア消費で目を向けるべきは女性だ」と言い切る。

団塊女性に「リタイア」はない

60代女性は下の世代に比べて正社員で働いた経験者が少ない。ある日を境に会社勤めをやめるわけではなく、ずっと主婦業を継続している。

主婦の余暇時間は子供が独立する50代に一度、増えるが、60代になると親の世話、孫の世話といった新しい負担を背負う。つまり、高齢になっても忙しいのだ。

この点に目を付けたのが、フィットネスクラブの「カーブス」だ。カーブスといえば、少ない投資で小回りのきく店舗運営に徹するビジネスモデルに焦点が当てられる。しかし、日本進出から6年半で1100店体制に成長、40万人以上の会員を集めた原動力は40代以上の主婦の忙しさに焦点を当てたマーケティング戦略だ。

村田氏は「価格政策の工夫もあるが、家近を意識させる立地政策、30分でトレーニングをすませられるメニューの簡便さが支持されている」と説明する。時間消費型とは全く逆のコンビニエンスなサービスに商機が宿る。

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