リタイア後「快適な暮らしができる街」ベスト20

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日刊ゲンダイ 9月17日号

アメリカで、昨年夏に出た本「Retire in Style」が、今も売れ行き好調で話題を呼んでいる。

カリフォルニア州立大のウォーレン・ブランド教授が書いたこの本は、リタイアした後に住んで生活をエンジョイできそうな街を全米から50ピックアップし、各街を12項目からなる評価基準に基づいてランク付けしている。

日米のシニアビジネスに詳しい「村田アソシエイツ」代表の村田裕之氏が言う。

「この本は主に、”ベビーブーマー世代”を読者対象にしています。彼らは1947年から64年生まれ。最年長者は55歳を超え、リタイア年齢に突入している。この世代の多くは従来の高齢者と違い、リタイア後も多少の収入が得られる仕事やボランティア活動、大学主催の公開講座の受講などを通じて社会に積極的にかかわりながら人生を送りたいという考えです。このため、50の街をランク付けする評価基準の項目に『仕事やボランティア活動』と『文化や学習活動』という新しい視点も加えています。これが大きな特徴です」

評価基準のうち残る10項目は「景観」「気候」「公害」「生活コスト(物価や家賃)」「交通の便」「商業施設」「医療サービス」「行政サービス」「レクリエーション活動」「犯罪率」だ。

このモノサシによると、トップはコロラド州のボルダーで、コロラド大ボルダー校を中心とした学園都市のような街だ。

ひるがえって日本ではどんな街が侯補地になるのか。村田氏に日本には当てはめにくい「景観」「犯罪率」「行政サービス」をカットした9項目の評価墓準に基づいて、20の街を選んで(別表参照)もらうと――。

なお、選ぶに当たっては週刊ダイヤモンドの記事「2001年版ニッポン全693都市ランキング」や「年金で豊かに暮らせる町」(社会思想社)、各自治体のホームページなどのデータを参考にした。

「東京のいくつかの区が入ることは予想できたが、意外だったのは侯補地として地方都市が多かったことです。特におすすめは大津市や松山市、北九州市で、これらの街は暮らしやすくて活動も多彩で充実しています」(村田氏)

リタイア後は、大都市にしがみつかなくても、快適に暮せる地方都市も結構あるということだ。

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