米国シニアビジネスのトレンドに学ぶ

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商工ジャーナル 7月号

米国におけるアクティブシニア市場育成の取り組み

米国のシニア向け商品・サービスの
発展において大きな役割を担ってきたのは
間違いなくAARP(全米退職者協会)である。

前身の全米教職員退職者協会
(1947年設立)は、、退職した教職員向けの
医療保険を共同購入する組織であった。
当時、退職者は個人加入の高額な健康保険
以外に選択肢がなく、収入の減った
退職者には厳しいものだった。

このように退職者に適したサービスを提供するのが、この団体の原点である。
58年にAARPに改組し、教職員に限らず、50歳以上の人に保険を割安で提供する
組織となった。

その後、金融商品、礫行、医薬品などを
割安に販売することで会員数を拡大し、
現在、三千五百万人もの会員をもつ。

しかし、近年五十歳代に突入したベビーブーマー世代 (1943年から60年生まれ)では高齢者団体のイメージの強いAARPへの未加入者が増えており、新たな運営を迫られている。

一方、高齢化するベビーブーマーが今後どのような商品・サービスを求めるのかを
80年代にケン・ダイクウォードが自著『エイジ・ウェイブ』で初めて論じてから、
米国でもアクティブシニア市場への関心が一気に高まった。

その後、米国のシニア産業に影響力をもつASA(全米エイジング協会)においても、
異業種企業が集まり「ビジネス・フォーラム・オン・エイジング」を組織化し、
優れた商品・サービスについて毎年アワードを贈るなど市場育成に取り組んでいる。

このように、戦後の早い段階から現在までシニアのための商品・サービスを
提供しようとする動きがあること自体に米国の先進性を垣間見ることができる。

(本文より抜粋)

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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