週刊東洋経済 2002年6月22日号 特集 アクティブミドルを狙え
ミドル・シニアマーケットなどの動向に詳しい村田裕之・村田アソシエイツ代表は、「大会社は役割分担が徹底しており、起業などのノウハウがなかなか得られない。
もし志しているなら、自立へ向けた下準備を早めにしておかなければ、結局ぬれ落ち葉になってしまうだけ」とミドルの心構えを説く。
「中高年向けの雑誌には廃刊に追い込まれたものが多い」。前出の村田裕之代表はこう指摘する。
グルメ、旅、レジャー、ファッションなどテーマにした情報誌は氾濫しているが、「ミドルにライフスタイルを提案してあげるような雑誌が少ない」(村田氏)
ミドルやシニア世代の消費は3つに分類できる。
1つは将来の所得、医療費、健康などへの不安を和らげてくれる商品・サービスに対価を支払うケース。都心回帰でマンションが売れているのはその表れだ。
2つ目は子供や孫のための支出。ホテルの3世代割引の利用などがこれに当てはまる。
3つめが自分のこだわりに対してカネを出す場合。団塊の世代にには、ベンチャーズの白いギターを平気で10本買ってしまう人もいる。
今後はこうした自分のために消費しようとニーズにどれだけ応えられるのかが、ミドル・シニア向けビジネス成功のカギを握る。
こだわりの強い年長者には、「本物」の商品・サービスを提供することが重要。そして、ホスピタリティも大事だ。たとえば、レストランでも妙に格式ばった店はダメ。求められるのは、ボーイが楽しませてくれるような雰囲気だ。