旅行、健康「高齢者市場」 年金+α、自分のために消費

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毎日新聞217日 物価と暮らし:第3部/中

シニア市場とは多様なミクロ市場の集合体

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毎日新聞に私へのインタビューをもとにした記事が掲載されました。しかし、私のコメント部分が「高齢者の格差が広がっている」的な引用をされているのが、私の発言の趣旨と違っています。

私は10年以上前から「シニア市場とは多様なミクロ市場の集合体」だと主張してきました。

多様だということは、高額であることで価値が上がるものもあれば、低価格であることで価値が上がるものもあります。物事の価値の評価軸が人によって多様になっていくからです。

私はトマ・ピケティの本に絡んだ流行の格差論は好きではありません。つい最近もある出版社から「豊かな老後、不幸な老後」についての寄稿を依頼されましたが、こうした「金持ち父さん、貧乏父さん」的な単純な二元論は一見わかりやすいのですが、不毛な話が多く好きでありません。

特に後半生になるほど、豊かさの基準が人によってさまざまになるし、そういう多様な基準があること自体を許容する社会こそが豊かな社会なのだと思えてなりません。

以下は記事抜粋

◇増える生活保護、格差は若者以上

もっとも、悠々自適の老後生活を送っている高齢者ばかりではない。東京都世田谷区の1人暮らしの女性(67)の収入は、月約6万円の年金のみ。介護保険料などの天引きが増え手取り額が減る一方、20年以上前に購入した中古マンションの修繕積立金(月2万円)や増税と円安による食品、電気代の値上げ、医療費などが重荷となり、毎月の収支は3〜4万円の赤字だ。女性は「貯蓄を取り崩しながら生活している。数百万円の貯金が底をつくのが先か、死ぬのが先か」と力なく話す。生活保護を受ける高齢者世帯も約76万世帯と01年度平均に比べ倍増しており、貧富の差は若年層以上に広がっている。

高齢者向けビジネスに詳しい村田アソシエイツ代表の村田裕之氏は「昔に比べ経済事情や価値観のバラツキが大きくなった。一口に『高齢者市場』といっても、強い需要に応じて値段の上がる分野と、低所得者向けで値段の下がる分野とに分かれていく」と述べ、高齢層の二極化を指摘した。

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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