2008年夏号 別冊カーサウエスト 特集 これからの集住体を考える
カレッジリンク型シニア住宅とは
カレッジリンク型シニア住宅というのは、字のごとく、カレッジ(大学)とシニア住宅(日本では老人ホームと呼ばれている)とをリンク(繋げる・連携)して運営するという形態を総称して呼んでおります。
この形態の呼称としてアメリカではいろいろな言い回しがあるのですが、日本で一番呼びやすそうな名前ということで、私が命名しました。
こうした形態は今から10年ほど前にアメリカで生まれました。現在20余りの施設が運営されており、計画中のものを入れると60位あるといわれています。
アメリカでカレッジリンク型シニア住宅が増えた「2つの理由」
今、なぜ、カレッジリンクなのかというと、大きく2つの理由があります。
1つは、供給側である老人ホーム(リタイアメントコミュニティ)市場の競争が厳しくなったことです。アメリカのシニア住宅市場は、日本より15年位先行しており、シニア住宅の差別化方法がいろいろ考え出されて中で新しい商品として登場してきたわけです。
もう1つは、需要側である入居者のニーズが変わってきたことです。もともと、シニア向けの住宅は、例えば身寄りがいなくなった、子供が面倒をみてくれないなどの方々が、食住の面倒と介護をしてもらうナーシングホームからスタートしています。
しかし、介護サービスは非常に大事ですが現在は要介護状態になる前のまだ介護が不要で元気な段階から入居したいという方も増えてきました。そうなると、単に遊ぶ、食べるというサービスだけでは物足りない人も増え、そこに新しいサービスニーズが生まれたのが2つ目の理由です。(村田)