村田裕之関連  
リタイア・モラトリアム 
すぐに退職しない団塊世代は何を変えるか
村田裕之
日本経済新聞出版社 1680円(税込)
   
■著者からのメッセージ

政府が年金制度改革法を導入した理由は、簡単にいえば、従来の年金制度では将来の給付・運用が危ういためである。なぜ、危うくなったのかといえば、従来の年金制度を設計した時点の条件が、今日の情勢に合わなくなってしまったからだ。

つまり、国の年金制度設計の「失敗のツケ」を企業に回すための“根拠”が改正高齢者雇用安定法なのだ。この結果、リタイア・モラトリアムが出現したのである。この出現のおかげで、当事者である団塊世代のサラリーマンだけでなく、企業経営者も周囲の社員も対応に苦慮していること本書で述べている通りである。

しかし、ネガティブな側面が目立つリタイア・モラトリアムも、見方を変えれば逆にポジティブな側面がある。そこに目を向けて、当事者にとっては「会社中心生活」を「個人中心生活」に切り替える準備期間だと発想転換すれば、リタイア・モラトリアムは団塊世代のサラリーマンにとってのチャンスとなる。

団塊世代の特徴は何と言っても人数が多いこと。このために団塊世代がしょぼくれると世の中もしょぼくれる。逆に団塊世代が元気になれば世の中も元気になる。だから、団塊世代にはリタイア・モラトリアムで落ち込むのではなく、これをうまく使って後半生の新しいライフスタイルをつくって欲しい。そして、企業にはそんな団塊世代に役に立つ商品・サービスを提供して欲しい。こんな思いでこの本を執筆した。

■日本経済新聞2007年8月27日 日経からのお知らせ

すぐに退職しない団塊世代は何を変えるか――。

アクティブシニアビジネス分野の第一人者として民間企業の新事業開発支援や各種メディアで活躍する著者が、団塊世代退職者の消費行動のポイントを「脳と知力の変化」や「解放型消費」など斬新な視点で提示。日本の将来・高齢社会は「半働半遊」から「知縁型」のライフスタイルに移行すると位置づけ、多くの事例をもとにシニアビジネスの方向性を開示します。「これから始まる本当の2007年問題」を読み解く、新しい提言書の誕生です。

■書評

アクティブシニアビジネス分野の第一人者として民間企業の新事業開発支援や各 種メディアで活躍する著者が、団塊世代退職者の消費行動のポイントを脳と知力 の変化や解放型消費など類書にない独自の論点で提示する。

− biznews ビジネス新刊書籍ニュース

2007年問題・・・という言葉があった。団塊の世代が一斉に退職して、労 働者不足や技術の継承ができずに大きな社会問題になる・・というのが200 7年問題だった。

そして今、その2007年になって、誰もそんな言葉(2007年問題)を口 にする人はいない。ふと不思議に思う。

村田さんは、その答えを「一斉には労働市場から姿を消さなかった」からと喝 破する。そのことは村田さんは以前の著書や様々な場での発信でおっしゃって いたことだった。定年者の半数以上が企業から再雇用されていたのだった。

かわりに、何が起きたか・・・。

それを、「リタイア・モラトリアム」という問題として本書は展開する。 モラトリアムとは猶予期間。つまり、定年退職でリタイアするはずの人が、し ばらくリタイアしないためにおきる問題、である。

再雇用ということは、元部下が自分の上司になるのである。気まずい雰囲気が ただよっても不思議ではない。

さらに、それで社会問題になるかといえばそんなことはなく、新たな団塊世代 のライフスタイルが登場する・・と村田さんは予測する。それが「脱・リタイ ア」というライフスタイルだ。

団塊世代の心理的な変化(開放段階へ)、スポーツクラブに60歳男性が殺到、 時間ゼイタク型の消費、自己表現型消費への変化、個人資産の拡充より個人カ ンパニーへなど・・・、団塊世代の様々な変化を、経験者の声などをまじえて そこにある未来がリアルに描かれる。

そして、それに応じ製品やサービスの内容も変化する。退職者問題でも先をい くアメリカの最新事情などを紹介しながら、あらたなビジネスの予兆を探る。 「消費者から語り部へ」、「使い手から担い手へ」など発想転換のヒントがい っぱいある。

高齢社会の大きな流れを、本書から読み取り、脱・リタイアという新たな地平 を考えてみよう。 団塊世代の方も、若い世代の方も、個人も企業人にも、ひろがるヒントがいっ ぱいの本。超オススメ!

− Webook of the Day  今日の一冊

本紙連載で好評を博した「保険業とジェロントロジーの接点」の筆者、村田裕之氏によるユニークな団塊マーケット論。いま、多くの職場で60歳でいったん定年退職した後も、再雇用され働き続ける人が増えている。だが、こうした人たちの多くは、給料が半減し、役職も外され、年下の上司や同僚との心理的葛藤を抱えながら、年金の満額支給開始など経済的に支障のない時期まで職場で過ごそうとしている。筆者はこのような状態で本当の離職(リタイア)まで過ごす期間をリタイア・モラトリアムと呼んでいる。

本書の最大の特徴は、リタイア・モラトリアムという環境変化に団塊世代特有の脳と心の変化を重ね合わせて「解放型消費」という独自のライフスタイル市場論を展開している点にある。村田氏は「シニアビジネス 多様性市場で成功する10の鉄則」(ダイヤモンド社)以来、団塊市場はミクロ市場の集合体であるとし、数が多いだけで市場になるというような安易な団塊マス・マーケット論とは一線を画してきた。本書でも解放型ライフスタイルにはいくつかの段階があり、人によってその段階が異なるので、特有の工夫が必要だと述べている。

村田氏の論が単なる机上の空論に聞こえず説得力を特って迫ってくるのは、日本や米国の多くの事例に触れられているせいもあるが、何よりも氏が関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅をはじめ、数多くの事業への実際の関与から得た現場の知恵を体得しているからにほかならない。

リタイア・モラトリアムを経て解放型ライフスタイルを身に付けた結果、もはやリタイア生活ではなくなる、という近未来予測は、これまでの高齢者像とは異なる消費性向をもつ団塊世代に対して納得感がある。第三部で述べられているHOHOやナノコーポといった「半働半遊」のライフスタイルは、多くの団塊世代にとっては理想であろう。ただし、それを具体的にどうすれば実現できるのかについては詳しくは述べられていない。この点は続編に期待したい。

ちまたのありふれた団塊マーケット論に飽き飽きした保険業界の担当者にとって、同書は次の市場を読む手掛りを与えてくれる必読の書としてお勤めしたい。

− 保険毎日新聞 新刊紹介

本誌連載でお馴染みの村田裕之氏の最新刊。一時期はよく聞いた「2007年問題」。氏はこの問題に対し、常に「2007年問題の本質は、いま言われているようなことではない」と主張してきた。本書では同問題の〈本質〉、そして〈意味〉、さらには〈解決策へのヒント〉まで、ときには科学的な解説も踏まえ、説明されている。

特に、本誌読者に多い経営者は、定年退職後の再雇用についてはよく考える必要がある。法律が変わり、企業は@65歳までの定年引上げ、A継続雇用制度の導入、B定年廃止のいずれかをとる義務ができた。現状、Aが趨勢のようだが、これも運用の際は注意が必要。本書では、この問題にも実例を挙げ触れている。経営者必須の一冊だ。

− 先見経済 先見メディア探訪

団塊世代の多くが再雇用され、働き始めている。著者はこれらの人が本当に離職するまでの期間を「リタイア・モラトリアム」と定義した。この間、ほとんど役職から外されかつての部下に使われ、給料は半減する。ストレスの高まりでうつ病の増加なども予想されるが、著者はそんなことはないと反論する。

「解放型ライフスタイル」が形成され始め、このライフスタイルの受け皿となる商品・サービスを提供できる新しい企業が業績を伸ばすと指摘。まず、自由時間の増加でスポーツクラブや、インターネットでの株取引が好調になり、「時間解放消費」の波が起き、続いて「自分探し消費」の波などが続いた後、会社員時代のコーポレーション・ミッションの実現を目指す消費行動が起きると分析する。可処分所得は意外に減らないなどと団塊世代を勇気づけてもいる。

− 日刊工業新聞 新刊

2007年問題たけなわの頃から、「団塊世代の約8割は離職しない」と予測していた著者。実際、7割以上の定年者が再雇用によって労働市場に残りそうだという。ここで起こってくる新たな問題とは?

− 週刊ダイヤモンド 新刊フラッシュ

第一次ベビーブーマー(団塊世代)と、この世代の女性の多くが一斉に第一子を出産したことで生まれた第二次ベビーブーマー。二つの巨大な人口の塊が今、それぞれの人生のモラトリアム(執行猶予期間)を生きている。数年後、彼らがきちんと執行猶予を終わらせられるか。消費や社会問題に関心を持つ人々が注目している。

2007年も残すところ3ヵ月余りとなり「2007年問題」という言葉もすっかり聞かれなくなった。1947年に生まれた団塊世代の第一陣は今年60歳。サラリーマンなら定年だ。職場の技術者不足、オフィス余剰、地域社会への参加や復帰、田舎や都心への移住者増、巨額の退職金を手にした彼らによるぜいたく消費などの問題や現象が起こると言われた。

しかし以前この欄でも予測した通り、現実は違った。最大の理由は65歳までの再雇用制度の導入だ。では、5年以内に同じような問題が起こるのか。そうはならないし、なってはいけないと主張するのは『リタイア・モラトリアム』(日本経済新聞出版社)の著者、村田裕之氏だ。

モラトリアムとは若者心理用語で、大人になるため社会が認めた猶予期間を指す。大学生を想像すればよい。国内外のシニア市場に詳しい村田氏は、60歳から本当の引退までの数年間を、仕事人生の単なる延長ではなく「リタイア・モラトリアム」ととらえ直すべきだという。

勤務形態によっては平日の自由時間ができる。ただし収入も権限も減る。そんな数年間は、若い部下の下で我慢して働く「忍耐期間」ではなくソフトランディングヘの準備期間だとする。まず時問などの束縛が緩くなる「解放段階」が訪れ「今までと違うこと」がしたくなる。「解放型消費」として有望なのがスポーツクラブ、ネット株取引、平日二泊三日の国内旅行や三泊四日のアジア旅行、映画など。世間体や立場から控えてきた文章、写真、音楽などの自己表現消費も盛んになる。

それだけでは満足できない人は次に「自分探し」を始める。これからの人生の「目的」を真剣に模索し始めるのだ。まず情報収集型消費が始まる。パソコンは有力商品だ。次に文化体験型消費が続く。美術館のハシゴ客が増える。 方向が定まれは人脈拡大につながる消費行動に目が向く。一方で「一人で時間を過ごせる」場の提供も重要になる。

最終的には、個人的な使命を発見することがこのモラトリアム消費からの卒業になるというのが村田氏の見立てだ。得意分野を生かした仕事、文化的活動など何らかの形で社会参加する「半働半遊」が本人も社会も幸せなシニアのあり方であり、完全にリタイアして毎日を遊び暮らすシニア村は、一時米国などで増えたものの、過去のものになりつつあるとしている。

− 日経MJ 石鍋仁美のマーケティングの「非・常識」

団塊世代の一斉退職が引き起こすとされた「2007年問題」はどこへいったのか。実際は、再雇用され働き続ける人が多く、書名にある「リタイアしないために起きる新たな社会的インパクト」が浮かび上がる。著者は、解放型消費による経済社会の変革を予測するが、モラトリアムの後に到来する、「カレッジリンク=大学との連携」をキーワードとした知縁型ライフスタイルにも注目だ。

− 月刊シニアビジネスマーケット Book & Media Guide

リタイアモラトリアムとは

村田裕之著「リタイアモラトリアム」日本経済新聞出版社出版の紹介です。
モラトリアムとはもともと、天災、恐慌などの際に起こる金融混乱を抑えるために、手形の決済、預金の払い戻しなどを一時的に猶予することをいい、それが転じて学生など、社会に出て一人前の人間となることを猶予されている状態、大人になるために必要な猶予期間に用いられているそうです。それを拡張し著者はリタイアモラトリアムを「離職までの一時的な猶予期間・状態」と定義されています。

今、リタイアモラトリアムを改めて取り上げたのは、年金の支給開始年齢が繰り上げられていることと、それと並行して65歳までの雇用継続を企業に義務付けた法律により、定年退職後も、リタイアモラトリアム状態で働き続ける人が「多数派」になるからで、それにより定年者を取り巻く社会が変わるからだと指摘されています。

ビジネス書でありながら
定年者にとって有益な指針を与えてくれる

本の帯に「本当の2007年問題はこれから始まる」とあったので、本書のテーマは、団塊世代が2007年から一斉定年退職を始めだすことから生じる熟練労働力不足に関連することかと、最初ガイドは勘違いをしていました。

実際には猶予期間を与えられた場合の定年者が、それまでとはどのように違ったライフスタイル(定年後の生活)を送るようになるかがテーマなのです。さらに続いて、定年後の生活についての心理学的見地からの分析、および先進国米国のシニアを対象とした数多くのサービスの事例を紹介しています。

「多くの事例をもとにシニアビジネスの方向性を提示」とあるように、確かにシニアビジネスについて関心のある人を対象に書かれているのですが、内容が定年後の生活についての分析、また介護を含めた総括的なシニアサービスの紹介なので、これから定年を迎える人、さらにガイドのように、定年直後に生じる定年問題についてはすでに克服して過去のものとなり関心の薄い定年者にとっても、興味深く読み続けさせる迫力を持っています。

団塊世代の脳と心の見えざる変化

人間の後半生の心理学的発達段階が
■再評価段階
■解放段階
■まとめ段階
■アンコール段階
の四段階に分けられるという医学者ジーン・コーエンの説を紹介して、その中で団塊世代の多くの人が「解放段階」に達していることを指摘されています。

解放段階の特徴は
■何か違うことがしたい
■今やるしかない
■それがどうした
というような気持ちを伴った行動が頻繁にみられ、自分自身を自由に表現したり、新しいことに挑戦したりする行動も多くなるということです。

加えて、解放段階の行動パターンを
■時間解放で「不の解消型消費」(「不」とはネガチブ、つまり不安からくるもので「健康不安」「経済不安」をさす)が増える。
たとえば「健康不安」からスポーツクラブに通う。
■「不の解消型消費」の次は「贅沢時間型解消費」に向かう。
たとえば平日の自由時間を利用した旅行。
■「贅沢時間型解消費」の次は「自己表現型消費」に向かう。
たとえば中高年のアマチュアバンド。
などと分析されています。

これらの分析結果は私の定年後の体験と照らし合わせてみるとなるほどと思うところばかりです。

− All About 定年後の楽しみ方

団塊の世代が大量に定年退職し、労働力不足やノウハウの継承が途絶えるなどの問題を引き起こすと言われる中、定年退職するはずだった人が、しばらくの間リタイアしないために「リタイア・モラトリアム」という現象が生じていると指摘する本書。

2006年4月に施行された改正高齢者雇用安定法では、65歳未満の定年を定めている企業に対し、65歳定年への引き上げ、継続雇用制度の導入、定年廃止のいずれかを求めている。この結果、対象となる企業の8割以上が継続雇用を選択している。

結果として、団塊の世代の本当のリタイアは07年になっても進まず、年金の満額支給が始まるまでの間、もといた職場や関連企業などで再雇用される人が増えてきた。この期間を著者は「リタイア・モラトリアム」と呼び、その間にライフスタイルの変化が生じるという。それまで拠り所にしていた「会社の使命」から解放され、自分のやりたいこと・やるべきこと(「パーソナル・ミッション」)を実現させようという欲求が高まる。彼らに向けた新たなビジネスのヒントを探る一冊。

− シルバー産業新聞 本のご案内

再雇用制度などで定年を過ぎても職場にとどまるシニアが増えた。定年から実際に職場を去るまでの数年間を、内外のシニア事情に詳しい著者は「リタイア・モラトリアム」と名付け、この時期の過ごし方で残りの人生の充実度が決まると提言する。

モラトリアムとは本来、執行猶予の意味。心理学では青年から大人への助走期間を指す。家族や地元という束縛から解放され、生き方を探し始めるのが第一のモラトリアム。著者が描く60代は、どこかこの青年期と似ている。

嘱託やパートタイマーとなり、時間のゆとりが増えると「今までと違うこと」がしたくなる。スポーツ、ネット株取引、旅行、映画などだ。世間体や立場から控えてきた文章、写真、音楽による自己表現にも目が向く。次に始まるのが残りの人生の目的を模索する自分探し。文化体験や人脈づくりも盛んになる。こうした試行錯誤の結果、会社から与えられた使命に代わる個人的使命を見つけ、社会と無理なくかかわり続ける「半働半遊」生活を手にするのが第二のモラトリアムからの幸せな卒業になると予測する。

米国では一時、社会から離れ、日々遊び暮らすシニア村開発が流行したが、すでに人気は下火だという。日本にも同じ変化が起こると著者はみる。今年60歳に達し始めた団塊世代の今後を予測するうえでも有益な本。

− 日本経済新聞 読書

団塊世代の多くは、定年退職後も働き続ける。この時期に起こる脳と心の見えざる変化がもたらす「解放型ライフスタイル」と消費動向を実例で提示する。

− PHPほんとうの時代 新刊案内

団塊世代の定年退職に伴って生じるとされた「2007年問題」は、結局、大した問題にならなかった。というのも、多くの人は完全にはリタイアしない「リタイア・モラトリアム」の状態にあるからだ。本書では、この猶予期間がライフスタイルに及ぼす変化、そしてシニアビジネスの行方を読み解く。

●定年退職後、本当の離職までの期間を「リタイア・モラトリアム」という。

●リタイア・モラトリアムに突入する時期は、心理的発達段階における「解放段階」と合致する。この解放段階では、「今やるしかない」という気持ちを伴った行動がよく見られ、 新しい挑戦を行うことも多い。

●リタイア・モラトリアムは、潜在的な自己解放力を表出する契機となる。この自己解放力の表出により、「解放型ライフスタイル」と呼ばれるライフスタイルがもたらされる。

●解放型ライフスタイルにおいては「解放型消費」が生じる。  この消費は、次のように3段階に変化する。@時間解放消費 → A自分探し消費 → Bパーソナル・ミッション消費

●リタイア・モラトリアムを体験した人々は、従来のリタイア生活ではなく、もっと積極的に生きる「脱・リタイア」生活を指向すると思われる。

●脱・リタイア生活の具体例としては、米国の場合、次のようなものがある。
・HOHO:夫婦それぞれが、家庭にオフィスを持ち収入を得ながら、余暇も楽しむ生活スタイル
・カレッジリンク型シニア住宅:大学の敷地内などに建てられたシニア住宅で、皆が「知縁」で結ばれるコミュニティ

− トップポイント

団塊世代の一斉退職がはじまるとされた2007年。だが実際は、定年退職者の多くが再雇用され、労働市場にとどまった。「『2007年問題』は大きな問題にはならなかった。代わりに『リタイア・モラトリアム』という新たな問題が出現した」―― 本書はそうした件からはじまる。

シニアビジネスの第一人者としてこれまで独自の視点で団塊マーケット論を一蹴してきた著者が、今回はリタイア・モラトリアムに伴うライフスタイルの変化に着目した新規マーケットの創出を予想。「解放型ライフスタイル」と称し、その受け皿となる商品やサービス機能が求められるというのだ。健康産業や趣味・嗜好、情報産業など幅広い市場での実例を示しながら、消費志向を簡潔に約50のポイントにまとめ、新たなビジネスヒントが提示されており、価値の高いものとなっている。

団塊世代をターゲットにした同質的な商品やサービスが巷にあふれるなか、本書が示したヒントがどのように昇華され市場デビューしていくのか、楽しみである。

− 月刊レジャー産業資料 ブックレビュー

年金支給繰上げに対応して、雇用義務年齢が引き上げられた。しかし、定年後再雇用の職場は、そう居心地はよくないようだ。給与は大きく減るし、社内での位置もまた中途半端。しかし、この「リタイア・モラトリアム(猶予期間)」が団塊世代にとって新しいライフスタイルを作るチャンスだと主張するのは、多くの事例でシニアビジネスの方向性を示してきた村田裕之氏が出版した『リタイア・モラトリアム』(日本経済新聞社)だ。子育てもずいぶん前に卒業し、今まさに定年という自分にひきつけて「チャンス」を実感する。人生、一度しかない。同世代の知人の他界後、一層その思いが強くなった。

− のんびる 編集後記

昨年4月施行の改正高齢者雇用安定法は、60歳定年後の雇用確保を事業主に義務付けた。著者は、定年から実際に職場を去るまでの数年間を「リタイア・モラトリアム」と命名。今までの会社中心から個人中心へ、生活の価値観を移行させる準備期間だと説く。団塊世代らは増えた自由時間を使って今までとは違うことをしたくなり、最終的にはこれからの人生の目的を真剣に模索し始めると分析する。

− 週刊エコノミスト Book Review


■目 次

プロローグ 2007年は「リタイア・モラトリアム」元年

第I部 リタイア・モラトリアムとは何か
  第1章 リタイア・モラトリアムの出現
  第2章 団塊世代の脳と心の見えざる変化
  第3章 リタイア・モラトリアムがもたらすライフスタイルの変化

第II部 リタイア・モラトリアムと解放型消費
  第4章 時間解放消費
  第5章 自分探し消費
  第6章 1人者(ひとりもの)消費
  第7章 パーソナル・ミッション消費

第III部 リタイア・モラトリアムの後は「脱・リタイア」生活
  第8章 「半働半遊」のライフスタイル
  第9章 リタイアメント・コミュニティの終焉
  第10章 カレッジリンクという「知縁型」ライフスタイル
  終章 未来を予測する「最良の方法」とは

エピローグ リタイア・モラトリアムと高齢社会・日本の将来

謝辞



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