100人に聞いた 人生でやり残したこと

新聞・雑誌

週刊朝日 2月9日号

いくつになっても新しいことに挑戦し続ける人とあきらめる人、違いはどこから来るのか?

主に40代から60代までの人に「人生でやり残したこと」を尋ねた特集が掲載され、私へのインタビューを元にしたコメントが掲載されました。

私が今回インタビューを受けた理由は、編集部の方に『いくつになっても新しいことに挑戦し続ける人がいる一方で、「私はダメ」とあきらめる人がいる。この違いはどこから来るのか?』という質問を受けたことです。それに対する答えは、本文中に記載されています。

編集部がまとめた20代から80代までの人たちの「人生でやり残したこと」のリストを眺めると、「人生いろいろ」であるのと同様に「コメントいろいろ」であることを感じます。

同時に内容はこれまでの「人生でやり残したこと」を「これから実現したい」というコメントと、「実現したかったが、もうかなわない」というコメントに二分化されていることがわかります。

映画「The Bucket List」が示唆することは?

私はこの取材を受けて、2007年にアメリカで公開された「The Bucket List」という映画を思い出しました。The Bucket Listとは文字通り「棺桶に入る前のリスト」で、転じて「死ぬまでにしたいことのリスト」を言います。

モーガン・フリーマンジャック・ニコルソンという二人の名優が、それぞれがんで余命宣告を受けたという設定。同じ境遇者同士ががん病棟で知り合い、残り時間にやりたいことをやっていくという物語です。この映画が公開された後、アメリカではしばらくの間、「The Bucket List」をつくるのがブームになった時期がありました。

今回の特集は、他人の「The Bucket List」を参考に、自分の「The Bucket List」をつくることを勧めるのが狙いのようです。

しかし、本来「The Bucket List」は「自分事」の典型。自分のこれまでの人生履歴と人生の残り時間(余命)、今の健康状態、経済状態、家族関係で変わる「極めて個性的」なものです。

他人の人生に惑わされることなく、自分の残り時間を大切にするきっかけになればよいのでしょう。

週刊朝日2月9日号
The Bucket List

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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