平均70代半ばの元気な熟年たちの「3つの共通点」

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日本経済新聞夕刊 2017年7月20日 読み解き現代消費

日経夕刊2面の連載コラム「読み解き現代消費」に寄稿しました。この連載は開始から3年以上経過していますが、おかげさまで評判が良いようで、来年3月までの継続が決まっています。

今回の寄稿のきっかけは、先月アメリカに行ったときに年配の友人たちがあまりに元気で明るく、活動的なのを見て「この人たちは何でこんなに元気なんだろう?」と思ったことです。
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先月渡米した際、15年来の米国の友人と会った。30人程度のグループで最年長91歳、最年少50歳。平均年齢は70代半ばの熟年たちだ。日本なら老人クラブの集まりのように見えるが、彼らはとても活動的だ。

トム(75)は10年前に離婚後、別の彼女と事実婚をしたが、大腸がんで1年後に亡くした。自分も前立腺がんを患い、死線をさまよったが奇跡的に回復。5年前に新会社を興し、今も精力的に活動している。

リズ(72)も8年前に前夫と離婚。その後感染症で命を落としそうになった体験から、感染予防の銀製品の販売会社を起業。体形は以前の肥満体からスリムに変わり、その歳には見えない若々しい容貌になっていた。

とても活動的な熟年たちの「3つの共通点」とは

このように離婚や家族との死別、大病を経験しながらも、前向きに明るく生きている人たちを観察しているといくつかの共通点に気が付く。

第1に人とよく話をする。議論の時は女性でも自分の意見を堂々と話す。休憩中でも議論は止まらない。日本人がへきえきするほどよく話す。

第2に人と楽しく食事をする。彼らは食事の時も黙っていることがない。食事よりもおしゃべりが目的にすら思える。

第3にスキンシップが多い。男女でも挨拶の際にハグするのが当たり前。本当に親しいと唇にキスして愛情を表現する。

幸せホルモン「オキシトシン」が出やすいライフスタイル

実はこうしたスキンシップが「オキシトシン」という脳内物質を分泌させることがわかっている。オキシトシンは分泌されると幸福感をもたらすので「幸せホルモン」と呼ばれている。高齢の彼らが元気で幸せそうな秘訣はここにありそうだ。

スキンシップの代わりに精神的な触れ合いでもよい。その最たるものが、おしゃべりだ。

日本では年配夫婦がテーブルで向き合いながら全く会話せず食事をする場面をよく見かける。ハグは照れくさくも、おしゃべりすることが互いの幸福感を増すと知ってほしい。

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この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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