退職後に男性が活躍するために何が必要か?

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会社法務A2Z  2017年11月号 経営法談

「女性とのコミュニケーション力」が退職後の男性に不可欠

こんなタイトルを掲げると多くの方は「現役時代のスキルの棚卸しが必要だ」「ジョブマッチングの精度を上げることが重要だ」などを想像するでしょう。

しかし、私は退職後の男性が活躍するために最も必要なことは「女性とのコミュニケーション力」だと思います。

日本の高齢化率は2016年9月現在27.3%で世界一。この超高齢社会では男性よりも女性が多く、男女比は70代で1対2、80代で1対3。多くの老人ホームは男女比が2対8ほどで、いわば「女性の園」。男性にとって楽園のように思えますが実態はそうとは限りません。

老人ホームの食堂では女性たちは適当に仲間をつくり、おしゃべりと共に食事を楽しみます。一方、男性はテーブルの端の方にポツンと一人で黙々と食事をしている風景をよく目にします。

こうした風景は老人ホームに限りません。ある高齢者向けのNPOに、退職後の男性が「ボランティアをやりたい」と門を叩いてきました。男性スタッフが少ないので主催者も当初は大歓迎。

ところが、事務所に来ても席に座っているだけでほとんど何もしません。挙句の果てにビールを持ってきて一人で飲み始め、「前の職場ではこうだった」と昔の自慢話を始めました。さすがの主催者もこの人には辞めてもらいましたが、こんな例が少なくありません。

フラットな社会に適応するコミュニケーション力を身に着ける

会社組織は役職による階層が明確な「階層社会」です。「○○長」という肩書きがあることで、周囲がそれなりに扱ってくれる便利な社会です。しかし、退職とは、こうした階層のない「フラットな社会」に飛び出すこと。これが退職サラリーマンにとって最初に直面する大きな戸惑いの一つとなります。

したがって、退職後に必要なのは、会社とは違うフラットな社会において円満な関係を構築できる力量です。その核が「女性とのコミュニケーション力」です。なぜなら、地域の女性たちは肩書なしの活動に慣れているからです。

こうした力量を身につけるには退職後では遅すぎます。現役時代のなるべく早い段階から、会社以外の「フラット社会」に参加して実践する以外にありません。社外の勉強会でも地域ボランティアでも何でもOKです。その際気を付けることは①自慢話をしないこと、②説教をしないことです。

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この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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