今から最低限の知識を身につけておくべき、親の介護

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週刊SPA42956合併号 特集 35OVER[会社員の危機]と処方箋

35歳Over世代にとって親の介護は近いうちに直面する危機的問題

35歳Over世代にとって、親の介護は近いうちに直面するかもしれない危機的問題だ。右の「典型的なストーリー」のように、「まず何をすべきなのかわからない」という人も多いはず。解説してくれるのはシニア向けビジネスのパイオニア・村田裕之氏だ。

「今から最低限の知識を身につけておくべきでしょう。75歳以上になると、介護を必要とする人の割合が急激に増えます。もちろん個人差があるので、それより前に介護が必要になる可能性もあります」

とにかく押さえておくべきは、いざ介護が必要になったときの相談先

週刊SPA_2014年4月29日~5月6日号

「最初にすべきは最寄りの『地域包括支援センター』へ連絡すること。ここで相談に乗ってもらい、要介護認定を受けたり、適切な介護事業者や施設選びの支援を受けたりできます。といっても、センターの連絡先なんて知らないでしょうから、まずは市役所へ問い合わせて連絡先を教えてもらうのがスムーズです」

親を介護施設に入居させるとなると、特別養護老人ホーム(以下、特養)への入居を検討するケースが多い。

「特養のメリットは費用が割安なこと。ただし、入居希望者が多いため、入居5年待ちといったケースも少なくありません」

待っている間だって介護は必要だ!その間の選択肢は有料老人ホームへの入居か在宅介護になる。この場合、費用が問題になる。

「有料老人ホームはピンキリですが、中級クラスで入居一時金として500万円ほどかかります。そして月間費や食費を合せて18万円前後が一般的です」

在宅介護を選択する場合、要介護度によってバリアフリー改装工事費や福祉用具購入・レンタル費なども必要になる。

「例えば車椅子生活になれば、要介護者の居場所は一階のリビングになるので電源工事や介護ベッドなどの福祉用具を搬入する必要がある。また、そこから外出できるようにカーポートと庭をつぶして最寄り道路までスロープを付ける必要がある。こうした改修に350万円ほどかかる。家族の負担を減らすために、訪問介護サービスを利用するとしても、介護保険の適用範囲は限られるので、ある程度の自費負担も覚悟する必要があります」

親の介護 費用負担はかなりのもの

「ただ、現時点では過度に心配しなくてもいいと思います。35歳Over世代の親に当たる団塊世代は『自分の老後は自分で何とかする』という志向が強く、老後の資金もそれなりに準備している人が多いようです。前もって親の経済状況を把握できれば安心ですが、それは子供といえども聞きにくいこと。今回のような記事をきっかけにして、それとなく尋ねてみることをおすすめします」

ストーリーのように妻や兄弟と揉めるケースも多いので、事前に家族会議を開く必要もありそうだ。

参考文献:親が70歳を過ぎたら読む本(ダイヤモンド社)

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この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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