老いて学べば、すなわち死して朽ちず

毎日新聞連載 村田裕之のスマート・エイジング 新聞・雑誌
毎日新聞連載 村田裕之のスマート・エイジング

毎日新聞 31日 連載 村田裕之のスマート・エイジング  11

仙台市民対象にスマート・エイジング・カレッジを運営

東北大で本連載のタイトルを冠した「スマート・エイジング・カレッジ」の運営に携わっています。従来の大学の講座とは少し違って、受講生100人は公募による350人以上から選抜された社会人

うち50人が60歳以上、残り50人も50代、40代、30代がそれぞれほぼ同数で、大学院生も参加します。隔週に一度、60分の講義が二つあり、加齢医学を中心に、教育学、文学、経済学、栄養学なども含め幅広い分野が学べます。

午後には個別テーマによるゼミを開きます。私のゼミでは拙著「親が70歳を過ぎたら読む本」を教科書に、どうすれば老親の介護、認知症、老人ホーム選びなどのトラブルや親の死後の相続トラブルを予防できるかがテーマです。

午後は「親が70歳を過ぎたら読む本」を教科書に村田ゼミを開催

毎回、受講生の体験発表をケーススタディにして解決策を討論します。受講生の年齢は4080親子世代で一緒に考えるのがミソです。例えば、複雑で込み入った相続トラブルのケースについて、親子それぞれの立場の意見が共有でき、受講生には大きな刺激となっています。

介護や相続といったプライバシー性の強い内容のため、ゼミ開始当初は互いに遠慮が見られます。しかし、回数を重ねるにつれて徐々に率直に意見を言い合えるようになり、最後にはお互いに助言しあう、温かい友情あふれる集団へと変わっていきます。

こうした活動に携わって痛感するのは、人はいくつになっても学び続けることで成長できるということです。「学びたい」という意欲のある人たちと共に学び合う活動は、刺激的で楽しく、何よりのスマート・エイジングなのです。

皆さんにもぜひそうした場を自ら求めて、学び続けることをお勧めします。「老いて学べば、すなわち死して朽ちず」です。

参考:スマート・エイジングという生き方

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

村田 裕之をフォローする
メディア新聞・雑誌
シェアする
村田裕之オフィシャルサイト
タイトルとURLをコピーしました