「朝食頻度」が高いほど「幸せ度」が高い:吉野家・NeUとの共同調査

スマート・エイジング
吉野家特朝定食

2023年2月10日 村田裕之の活動

「朝食習慣と幸福度」の関連は「普遍性が高い」

牛丼チェーン「吉野家」、私が役員を務める東北大学ナレッジキャスト株式会社、東北大学と日立ハイテクによる脳科学カンパニー、株式会社NeU(ニュー)は共同で、20代から60代の働く人1,000人を対象に「朝食習慣と幸せ度・ライフスタイルに関する調査」を行い、先日、その結果を公表しました。

それによれば「朝食頻度が高いほど“幸せ度”が高く、“幸せ度”が高いほど生活面で“ポジティブな意識”が強い」という傾向が明らかとなりました。

実は、2010年に東北大学加齢医学研究所 スマート・エイジング国際共同研究センター(現:学際重点研究センター)が行った調査「毎日、朝ごはんを食べている方は“幸せ度”や“生活満足度”が高い」という結果がありました。

2010年の調査結果

今回の調査は2010年調査と同じ設問を用意して実施しました。12年経過後も同じような結果が出たことで調査チームでは「朝食習慣と幸福度」の関連は「普遍性が高い」と結論づけています。

男性20代の「幸せ度」が最も低い

また、今回の調査では、コロナ禍による影響やスマホ普及による影響も調べました。

今回は年代別に詳しく調査していることもあり、男性20代の「幸せ度」が最も低いことがわかりました。

調査チームは、この理由として「男性20代は、スマホを長時間使用する人の割合が多いため、睡眠時間の減少や不規則な生活リズムを引き起こし、結果として朝食頻度の低下につながっている」と分析しています。

「幸せ度」を感じるシーンは「職場」から「プライベートタイム」へ

また、この10年で「幸せ度」を判断するとき、“何を重視するか?”その基準に変化が現れてきたことも分かりました。

例えば、「幸せを感じるときは?」との設問に対して「仕事がうまくいったとき」を挙げた人が2010年調査よりも大幅に減少し、「食事をしているとき」が首位に躍り出ています。

さらに、2010年調査で回答率上位だった「専門的なスキルを身につけたい」「やりたくない仕事でも我慢してやる」が大幅に減少した一方、「会社関係の人間とは仕事以上の付き合いをしたくない」が大幅に増加しています。

「幸せ度」を感じるシーンは「職場」ではなく、「家族」や「友だち」と過ごすなどプライベートタイムへと価値観が移っていることがわかります。

調査チームは『これらは2010年調査時に60代だった、高度成長期の仕事中心の価値観を持つ団塊の世代が抜け、新たに経済低迷期の個人中心の価値観を持つZ世代とY世代の一部である20代が加わったことによる「価値観の変化」が反映されていると考えられる』と分析しています。

調査結果の詳細はこちら

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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