2006年1月1日 「商工ジャーナル」1月号 特集 2006年構造変化する社会への対応
このように団塊世代の個人の消費行動は、非常に「多様」であり、団塊市場とは、「多様なミクロ市場の集合体」なのです。これが高度成長期の団塊市場と大きく異なる点です。
モノが少ない高度成長期は、多くの人が、同じような生活スタイルを送っていました。このため、団塊市場は、あたかも「均質のマス・マーケット」のようでした。団塊世代と命名された時期には、その時代を象徴する言葉として的を射ていたのです。
ところが、広く一般化したこの言葉も、モノにあふれた現代には、もはや実態と合わなくなっています。もちろん、団塊世代と命名された四七年から四九年生まれの人口の多い世代が、いまも存在するのは事実です。
しかし、これまで述べたように、消費行動の多様化の結果、もはや団塊世代という一様の「カタマリ」は壊れ、むしろ新しい「グループ」に再編されています。つまり、団塊世代は、団「壊」世代になりつつあるのです。
(中略)