シニアに売りたいなら「3K不安を解消せよ」

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特集 ひとりで生きる「老後戦略」

プレジデント3月18日号 特集 ひとりで生きる「老後戦略」

お金・健康・孤独 ◎3大不安から脱出

いかにして「3K不安」を解消するか

ビジネス誌プレジデントの特集【ひとりで生きる「老後戦略」】に私への取材を基にした記事が掲載されました。

表紙の一番上に「お金・健康・孤独 ◎3大不安から脱出」とありますが、これは私が2004年から20年近く言い続けているシニアビジネスの原理です。

次ページの「言行録」の最初に取り上げられたように、いかにして「3K不安」を解消するかが特集全体のコンセプトになっています。

私への取材が反映されているのは、レッスン4希望編の『シニアに売りたいなら「3K不安を解消せよ」』のコーナーです。以下に全文を掲載します。

シニア層が感じる3K不安は普遍的ニーズ

男はコレクション

シニアへ向けたビジネスのキーワードは「3K不安」です。3Kとは、シニアが特に感じている3つの不安「健康・経済・孤独」の頭文字をとったものです。これらを取り除く商品やサービスには大きなビジネスチャンスがあります。

1つ目は健康への不安。年を取れば多くの医学データが示しているように体の不具合が増えてきます。2つ目は経済、つまりお金への不安この2つはコインの裏表のような関係です。

健康面の不具合が起きれば病院へ行き、診察料や薬代、入院、介護費用がかかり、退院後の通院やリハビリにもお金がかかります。そのためシニアは健康を維持する商品やサービスにお金を使います。健康食やサプリメント、フィットネスジムなどがそうです。

また、不眠に悩むシニアも多いです。快適な睡眠を求めて高額な布団や枕、マットレス、照明などに健康維持費として出費します。

3つ目は孤独への不安。現役時代に自宅と職場との往復生活だった人が特に男性に多く、定年後に孤独になりがちです。一方、女性はご近所付き合いやママ友とおしゃべりを楽しむなど、孤独への備えが上手です。

男は「コレクション」、女は「コネクション」を好む

これらを反映した消費傾向としては、男性は一人でも楽しめる趣味の道具(高級一眼レフカメラ、登山道具、キャンピング道具など)に、女性は誰かと一緒に行く旅行や食事にお金を使う傾向があります。

おひとりさま世帯になると、一合炊きの炊飯器や軽量の掃除機など、小型・軽量商品へのニーズが高くなります。家族が独立して一軒家が不要になった人や、病院やスーパーが近い場所に住みたいおひとりさまシニアが、都心の小さなマンションへ引っ越すケースもあります。

平均寿命や定年年齢などの変化により、シニアの意識やライフスタイルは年々変わってきています。特にインターネット利用率の変化が消費行動に及ぼす影響が大きいです。

総務省の通信費用動向調査によると、2014年の70代のインターネット利用率は50.2%でしたが、5年後の2019年には74.2%にまで増加

シニア層が感じる3K不安は普遍的ニーズで、時代が変わっても変わりませんが、不安解消のための商品や情報の提供手段としてのネットの活用がますます重要になってくるでしょう。

「婚活最前線」シニアと呼ばれても恋が止まらない

シニアと呼ばれても恋が止まらない

「婚活最前線」シニアと呼ばれても恋が止まらない、のコーナーに紹介の以下の話は全て実話です。

アメリカのトレンドが数年後日本にやってくると指摘するのは、シニアビジネスに詳しい東北大学特任教授の村田裕之氏だ。

「アメリカでは、マッチングアプリで相手を見つけているシニアは案外多いようです。私のアメリカ人の友人も『マッチドットコム』というサービスで再婚相手を見つけました。当時彼は74歳、相手は72歳でした。

それまでの彼は、離婚で心にダメージを負い、会っても話がしづらいほどに暗かったんです。ですが、あるとき突然笑顔になった時期があって。『なんか良いことあったの?』と聞いたら、『実はね…‥』ということで、今の奥さんである彼女を紹介してくれました。

アメリカで起きるムーブメントは、数年後に必ず日本でも起こります。離婚件数が増えたのも、アメリカが圧倒的に早かった。『マッチドットコム』は日本でもサービスを展開していますし、類似サービスは増えています。

一度離縁した人が、ネットで出会い直しをすることは、少しずつ増えるでしょう。シニアのインターネット利用率もかなり上がってきているので、今後の利用者も増えるでしょう。

プレジデント3月18日号 特集 ひとりで生きる「老後戦略」

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