シルバー産業新聞 2006年2月10日

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2006年2月10日  シルバー産業新聞
 
「団塊の世代=ビートルズ世代とは限らない」 と、本紙連載「社会変化が生み出す新事業」の村田アソシエイツ代表の村田裕之さんは、新刊の帯に書いた。

ビートルズをはじめ、ベンチャーズや70年安保から連想される多感な時代精神こそ団塊世代特有の嗜好性と一面的に捉えらえて、様々な商品が開発されてきた。

「ノスタルジア商品」やロングステイ、世界遺産のパック旅行などがそうだが、その多くが失敗している。一筋縄では捉えきれない多様なこのシニア市場を切り開くにはどうすればよいのか。

著者のアプローチの基本は、数少ないながら存在する成功事例の要因分析にあると言ってよいだろう。

ユーリーグが50代女性中心に40万部を発行する直販雑誌「いきいき」は、読者からの意見を吸い上げる「ご意見はがき」がポイントだとする。読者のはがきは編集スタッフ全員が目を通し、自分たちの発信した情報がどのように読者の受け止められているのかを知る。一方通行になりがちな編集作業が、読者からのはがきを通じて双方向のものへアウフヘーベンされるのだ。こうして読者がほんとに知りたい情報の種類や質が明確になる。

「読者との関係を深めるためには予算を惜しまないこの姿勢こそ、真の顧客中心主義といえ、41万人という読者獲得が、奇跡でもなんでもないことが納得できる」と、マジックの種を明かす。ポイントは一見常識的で、言うは易くやるは難しいものなのだ。日本だけでなく海外の成功事例を交え、見事に核心をつくその分析は、日本を代表するシニア市場アナリストとも言える著者ならではのものがある。

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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