日本経済新聞 2006年12月7日号

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2006年12月7日号 日本経済新聞
 
中高年にさしかかり、物忘れが多く「顔はわかるが、名前が出てこない」といった場面に遭遇する人も少なくないはず。“老境への招待状”を手に、うなだれることなかれ。学習しだいで脳は若返ることを全米屈指の精神科医の著者が証明してくれるのが本書だ。

成人後も、脳細胞は新たに生成され、常に変化することが科学的研究結果でも立証され、年をとる過程は「衰退の段階」ではなく「発達の段階」ととらえることが重要だと説く。知力については、大きな潜在能力がありいかに目覚めさせ活用すればよいのか、多くのインタビューをもとにさまざまな戦略法を提案する。創造性についても、60代後半から力を発揮した浮世絵師、葛飾北斎を例にあげ、老年期の底力を見せつける。「ゲームやパズルをする」や「未知の分野の講習会に参加してみる」など、「リタイア後に心身の健康を保つ10カ条」も具体的で役立つ。

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