本のご案内:リタイア・モラトリアム

新聞・雑誌

2007年10月10日号 シルバー産業新聞

団塊の世代が大量に定年退職し、労働力不足やノウハウの継承が途絶えるなどの問題を引き起こすと言われる中、定年退職するはずだった人が、しばらくの間リタイアしないために「リタイア・モラトリアム」という現象が生じていると指摘する本書。

2006年4月に施行された改正高齢者雇用安定法では、65歳未満の定年を定めている企業に対し、65歳定年への引き上げ、継続雇用制度の導入、定年廃止のいずれかを求めている。この結果、対象となる企業の8割以上が継続雇用を選択している。

結果として、団塊の世代の本当のリタイアは07年になっても進まず、年金の満額支給が始まるまでの間、もといた職場や関連企業などで再雇用される人が増えてきた。この期間を著者は「リタイア・モラトリアム」と呼び、その間にライフスタイルの変化が生じるという。

それまで拠り所にしていた「会社の使命」から解放され、自分のやりたいこと・やるべきこと(「パーソナル・ミッション」)を実現させようという欲求が高まる。彼らに向けた新たなビジネスのヒントを探る一冊。

タイトルとURLをコピーしました