Ageing Asia Investment Forum (AAIF)とは何か
Ageing Asia Investment Forum (AAIF)とは、シンガポールのAgeing Asia社が主催するアジア地域の高齢者介護事業者向けのコンファレンスと展示会です。
2010年に第1回が開催され、私は2011年の第2回から唯一の日本人として国際アドバイザリーに就任しました。
AAIFは、その後Ageing Asia Innovation Forumと名称を変更し、2013年からEldercare Innovation Awardsを新設し、アジア太平洋地域の革新的な高齢者介護事業者の表彰をしています。
私は、Eldercare Innovation Awardsの第1回より審査委員を務めています。
近年成長著しいアジア市場ですが、そのアジア市場にも高齢化の波は確実に訪れてきています。現在の市場はもちろんのこと、今後の急速な高齢化に伴う新たな市場と潜在的なビジネスチャンスは計り知れないものがあります。
AAIFは、SICEXで始まったシンガポールの高齢者介護事業のレベルアップとアジア太平洋地域での事業アライアンス創出に貢献しています。
AAIF参加のメリットは何か
私は2011年の第2回に基調講演者として初めて参加しました。
第2回AAIFでは、アジアの12か国から40人以上の経営者、政府関係者、NPOリーダーが一同に会し、延べ800人を超える人が参加。2日間さまざまなテーマで発表・討議を行いました。
私はアジア以外の米国や欧州でも類似の会議にしばしば参加する機会があります。
その経験から確実に言えることは、こうしたハイレベルなビジネスパーソンが一同に会するフォーラムこそが、情報収集と人脈構築のうえで、最も効率的な方法だということです。
アジアと言っても地理的にも広大で、高齢化の進展度合いや所得水準など国によって多種多様であり、十把一からげに捉えられません。
しかし、わずか3日のAAIFに参加することで、さまざまな国の経営者、政府関係者、NPOリーダーとの人的ネットワークが構築できました。
さらに、多くの意見交換機会や食事会、ツアーを通じて、マスメディアやネットでは決してわからない現地の生情報を手に入れることができました。
にも関わらず、私がAAIFに関わってから7年ほどは、日本の介護事業者はあまり参加しませんでした。
その理由は、日本の介護事業者は収入の多くを公的介護保険報酬に依存しているため、海外市場で事業を行うインセンティブが湧きにくいためです。しかし、少子高齢化傾向が進む日本の人口動態を見れば、公的介護保険報酬の先細りは容易に予想できます。
アジア各国では韓国を除いて日本のような公的介護保険制度は存在しません。ということは、アジアのシニア市場で日本の事業者が優位に立つためには、介護保険制度に依存しないビジネスモデルが不可欠です。介護保険に頼らないシニアビジネスの重要性はこの理由からも明らかでしょう。
介護分野で国際的な視野でビジネスセンスを磨くには、AAIFのような場で海外の事業者との意見交換を行うことが極めて有用なのです。