シルバー産業新聞 2002年4月10日
村田裕之
シニアマーケットはハードよりソフト
サービスにはお金がかかる。
公のサービスはこれまで「ただ」だった。
「ただ」なら、使い勝手が悪かったり、
欲しいものがなくても仕方がない。
サービスの質をうるさく言う人も少ない。
しかし「ただ」は錯覚で、社会サービスは
回り回った税の形だ。
サービスには対価が支払われている。
有料サービスであれば、
双方に緊張関係が生まれる。
緊張関係がサービスを向上させる。
日本では、ソフトサービスはお金にならないと言われてきた。
果たしてそうだろうか。
日本メンタルケア協会で、精神対話士を養成している。
認定者が増えている。
シニアに限らないが、日々の生活に不安を抱く人が多い。
話を聞いて欲しい人が増加しているのだ。
特にシニアは話し相手を欲している。
決して安くない有料サービスだが、
精神対話士という資格や権威が、安心感を与える。
しゃべれば、溜まっているものを吐き出せる。
有償ではないが、傾聴ボランティアも増えてきた。
だまって聞くことが心理学の基本である。
これは「聞き届けサービス」と言ってもよいかも知れない。
(本文より抜粋)