中日新聞 2013年1月1日 特集 成長する高齢者市場 国内外の企業 商機を探る
「不安」「不満」「不便」の解消を
中高年向け事業企画を手掛ける村田アソシエイツ代表 (東京都港区)で東北大特任教授の村田裕之さんの話(50)
団塊の世代の多くが2012年に65歳を迎え、企業は高齢者向けビジネスヘのシフトを急いでいる。高齢者市場は、若年層に比べて多種多様なニーズがある小さな市場の集合体といった特有の特徴がある。従来の大量生産・大量流通のやり方では通用しない場合が多い。新規に高齢者ビジネスを立ち上げたものの、ここで戦略を誤って失敗したケースは多い。
重要な視点は、高齢者が抱える健康や経済にかかわる三つの「不」に目を向けることだ。これは「不安」「不満」「不便」を指す。これらを当事者の立場に立って解消することだ。
スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末の普及に慣れ親しんだ世代が高齢化し、「スマートシニア」も急増するだろう。インターネットを活用して積極的に消費行動に出る高齢者が増えるということだ。
企業の高齢者ビジネスヘのシフトは今後、経済的発展を遂げた他の国でも必ず起こる現象。日本で既に成功している高齢者向けサービスが海外に輸出されていくケースが増加することは、十分考えられる。
シニアシフトの衝撃 超高齢社会をビジネスチャンスに変える方法