2004年12月21日 「商工ジャーナル」1月号 特集 2005年の経営課題と挑戦
どの企業でも、必ず新分野・新商品開発に取り組まなければならない。たとえ、現時点で既存の収益部門が好調だとしても。
その最大の理由は、数十年前と異なり、現代が経済成熟の時代だからだ。
経済が成熟するとモノ余りが進展し、消費者にとっての選択肢が拡大する。すると、消費者はどんどん賢くなり、ますます目が肥え、よりレベルの高いものを要求するようになる。
このため、より付加価値の高い商品・サービスを提供し続けなければ、顧客は離れていく。
昔は、系列関係や長年の取引年数だけで顧客との関係を維持できた。
だが、現代は、顧客にとっていろいろな意味での利益を提供してくれる企業だけが、継続的な取引先となる時代だ。
(中略)
以上をまとめると、
①新規分野への進出を効率的に達成するには、当該分野を「本業の付録」的な位置づけにせず、既存の収益部門と同等の優先順位とすること。
②社内の実力者に新規分野の担当責任者として正面から参画してもらうこと。
③経営トップは、最終責任が自分にあることをコミットし、担当責任者を権限的にも予算的に支援すること。
今年新規分野に進出するために、この三つが、まずやるべきことである。