次の10年でシニアの消費行動はどう変わるか

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高齢者住宅新聞 介護保険に頼らないシニアビジネス成功さらなる12のヒント 第6回

161102koureishajutaku前号では2015年に60歳以上のスマホ利用率、70歳以上のタブレット利用率が減少に転じたという話をした。しかし、中長期的に見ればシニアのネット利用率は確実に上昇し続けている。実際、年齢別ネット利用率で見ると、過去10年間で高齢者での伸びが最も顕著だ。

利用者が増えている理由は、①ネットを使わなかった人が利用するようになったことと、②若い時代にネットを使っていた人が年を取っても利用し続けていることだ。このペースでいくと2025年の高齢者のネット利用率は飛躍的に増えることが予想される。

図は女性人口と要介護人口の数だが、男性も同じような推移をたどる。そこにネット利用率の予測を合わせてみた。例えば83歳では要介護者とそうでない人の割合が50%ずつ。

そしてネットの利用率は45%に達する。この数値はIT機器普及の観点から言えば、ほとんど普及段階といってよい。つまり、要介護者も含めて高齢者においてもネット利用が当たり前の時代になる。

すると高齢者のネット通販利用が劇的に増えることが予想される。現在、高齢者の通販の利用と言えば、折り込みチラシやテレビ通販の利用がせいぜいだが、それがネットにシフトしてゆくのは間違いない。それは小売業の転換期を意味する。百貨店やスーパーのように店頭販売が主流の小売業は今の業態のままでは、シニア顧客は離れていくことだろう。

私は17年前に「ネットを縦横に活用して情報収集し、積極的な消費行動を取る先進的な高齢者」のことを「スマートシニア」と呼んでその増加を予言した。当初は「考え方は面白いがそんなシニアはどこにいるのか」と何度も言われた。だが、17年経って至る所に多くのスマートシニアが存在するようになった。

2025年には団塊世代の最年少者が75歳を超え、後期高齢者になる。この時代には、高齢者でもネット利用者はもはや少数派ではない。商品・サービス提供側の企業は、この点に留意して今から準備を進める必要がある。


成功するシニアビジネスの教科書

高齢者住宅新聞

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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