読売タブレット 1月31日号
読売新聞のタブレット版にゲームセンターに集う高齢者の様子とその効果に関する記事が掲載されました。
ゲームセンターに通う高齢者が増えているというニュースはこれまで何度も報道されています。人口構成のシニアシフトの進展と共に、従来子供向けだった市場が大人・高齢者向け市場に変わっていく一つの例です。
何もしなければ縮小していく市場をさまざまな工夫により新たな客層を取り込んで成長を図るモデルは、日本だけでなく、今後他の国からも参考に見られるようになるでしょう。
記事では高齢者がゲームに興じることが身体機能の維持につながるという識者のコメントがあります。
しかし、先日のスマート・エイジング特別セミナーで川島教授が話したように、「テレビゲームをして楽しい」という状況では大脳の前頭前野が抑制されることがわかっています。つまり、長時間テレビゲームをやり続けると、前頭前野が不活性化した状態が続くため、ぼけやすくなり、認知症を加速する可能性があります。
したがって、高齢者向けのゲームとしては、前頭前野を抑制せず、活性化する内容のものが求められます。
せっかく外出したのに家の中でゲームをしているのと同じ状況になるのは、認知機能維持の面でもお金の面でも高齢者にとって有益とは言えません。
以下は記事に掲載された私のコメントですが、実はインタビューの際は上記の話をしています。
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ゲームセンターへの外出は引きこもりを防ぐ。高齢化社会に関する著書が多い東北大特任教授(加齢ビジネス論)の村田裕之さんは「高齢者が外出するきっかけとなれば衣料、交通費、食事など多くの経済効果も生まれる」との見方を示すと同時に、「一人で長時間ゲームに向かっても脳の活性化につながらない。複数の人が関わりながら、1時間程度に決めてゲームに興じるべき」と付け加えた。
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