2007年は「リタイア・モラトリアム元年」

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2007年12月16日号 日本経済新聞

団塊世代の大量退職が始まっているが、退職後も起業や非営利組織(NPO)、ボランティアで充実した人生を過ごしたいと考える人が多い。

定年後のワークライフ「2007年問題」を検証するをテーマに、「日経シニア・ワークライフ・フォーラム2007」が、東京と大阪の2カ所で開催された(主催・日本経済新聞社、協賛・全労済、全国労働金庫協会、中央労働金庫、近畿労働金庫)。両会場では、団塊の世代を中心にワークスタイルの事例発表、各分野の専門家によるアドバイスなど、数多くの具体的な提案が行われた。

●東京会場●

2007年問題検証セッション
2007年は「リタイア・モラトリアム元年」
村田アソシエイツ代表 村田裕之

2007年問題とは約680万人の団塊世代(1947-49年生まれ)が今年から60歳になることで一斉に労働市場から姿を消し、いろいろな問題が起きるということだった。

しかし、今年60歳を迎えた47年生まれの人の7-8割は再雇用などで引き続き働いているのが実態で労働市場から姿を消したわけではない。

代わりに多くの団塊世代は「リタイア・モラトリアム(離職猶予期間)」を過ごすようになった。この期間を本格的な離職までの有用な準備期間として活用すべきというのが私の提案である。

リタイア・モラトリアムのうちに取り組むべき課題は①老後資金の不安解消②健康不安の解消③生きがいづくり――の三つだろう。この三つを一度に解決したいと思うなら、自分の好きな仕事で、ある程度お金も稼ぎながら余暇も楽しむ「半働半遊」のライフスタイルをつくることだ。

そのためには、手間の割りに大した利息もつかない「個人資産運用」に注力するより「個人カンパニー」をつくってやりたい仕事で年金以外の収入源を確保することだ。

個人カンパニーに必要なのは、退職後の生活資金の工面策を説明するだけの「ライフプラン」ではなく、退職の有無にかかわらず、自分が一生取り組む「ライフワーク」だ。

ライフワークを見つけるには自分の好きなことに関する情報収集が重要だが、最大の情報収集策は自らの情報発信にある。自分が長年取り組んできたテーマをメールマガジンやブログなどで発信すれば同好の士から多くの情報が集まるようになる。現代は知的好奇心が新たな縁を結びやすい「知縁」の時代だからだ。

●大阪会場●

団塊世代によるワークライフ・リレートーク

独立起業の最初の壁は出費ばかりで売り上げが上がらないこと。サラリーマン時代の会社の知名度・肩書きに頼れず営業で苦戦するからだ。だからインターネットの効果的な活用が重要だ。自分の起業体験・なぜ起業に至ったかの熱い思いを情報発信することが、顧客の信頼感を醸成する。(村田)

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