アメリカに見るシニアのライフスタイル

新聞・雑誌

2008年 フォーマイセルフ 第1号 

IL→AL→NHというふうに、ライフステージに適した住まいが選べるようになっているアメリカですが、問題もあります。

それは要介護度が重くなるに伴い住まいを変えなくてはいけないことで、その都度、退去・入居による新たな費用が発生します。そこで登場したのがIL、AL、NHの3つの機能を一つにまとめたCCRCというコミュニティ・レジデンスです。

元気なうちに入居し、いざ介助や介護が必要になった時もそこで継続してケアが受けられるのが特徴で、日本でも少しずつ増えていますが、アメリカではすでにかなりの数が供給されています。

そして、このCCRCでも、高級感を追求したラグジュアリー型の『クラシック・レジデンス・バイ・ハイアット』や医療・介護サービスに特色のある『パーム・オブ・ラルゴ』など多様なタイプが登場しています。

(中略)

一方、ライフスタイルの面でもアメリカは大きな変化が見られます。その一つが、HOHO(ホーホー)と呼ばれる新しいライフスタイルの増加です。

HOHOとは「His Office, Her Office」の略で、会社を退職した夫、子育てを終了した妻がそれぞれのオフィスを家に持ち、得意な分野でお金を稼ぎながら、余暇もしっかり楽しむスタイルを指します。

リタイヤ後でも働きたいという欲求を持つ人は日米を問わず存在しますが、それを実現するだけでなく、夫婦が互いの仕事や生活を尊重しながら、時には助け合うという新しい関係づくりにもつながります。私は「半働半遊」という言葉を使っていますが、今後は日本でもこうしたライフスタイルが増えていくと思います。

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

村田 裕之をフォローする
メディア新聞・雑誌
シェアする
村田裕之オフィシャルサイト
タイトルとURLをコピーしました