アメリカに見るシニアのライフスタイル

新聞・雑誌

2008年 フォーマイセルフ 第1号 

IL→AL→NHというふうに、ライフステージに適した住まいが選べるようになっているアメリカですが、問題もあります。

それは要介護度が重くなるに伴い住まいを変えなくてはいけないことで、その都度、退去・入居による新たな費用が発生します。そこで登場したのがIL、AL、NHの3つの機能を一つにまとめたCCRCというコミュニティ・レジデンスです。

元気なうちに入居し、いざ介助や介護が必要になった時もそこで継続してケアが受けられるのが特徴で、日本でも少しずつ増えていますが、アメリカではすでにかなりの数が供給されています。

そして、このCCRCでも、高級感を追求したラグジュアリー型の『クラシック・レジデンス・バイ・ハイアット』や医療・介護サービスに特色のある『パーム・オブ・ラルゴ』など多様なタイプが登場しています。

(中略)

一方、ライフスタイルの面でもアメリカは大きな変化が見られます。その一つが、HOHO(ホーホー)と呼ばれる新しいライフスタイルの増加です。

HOHOとは「His Office, Her Office」の略で、会社を退職した夫、子育てを終了した妻がそれぞれのオフィスを家に持ち、得意な分野でお金を稼ぎながら、余暇もしっかり楽しむスタイルを指します。

リタイヤ後でも働きたいという欲求を持つ人は日米を問わず存在しますが、それを実現するだけでなく、夫婦が互いの仕事や生活を尊重しながら、時には助け合うという新しい関係づくりにもつながります。私は「半働半遊」という言葉を使っていますが、今後は日本でもこうしたライフスタイルが増えていくと思います。

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