日本経済新聞 2014年12月7日 Consumer X 第2回
シニアの消費を促すには買い手側の条件をよくすることも大切
日経新聞朝刊12月7日1面 Consumer Xに「シニア広がる格差 年金生活「格安」さまざま」という記事で私のコメントが次のとおり引用されています。
「働くことで生活にリズムが生まれ、行動的になる。年金以外の副収入は消費にまわるケースは多い」(東北大特任教授の村田裕之=52)。経済的にゆとりがあるとされてきたシニア層。その消費はひとくくりに捉えられなくなっている。
このコメントは、私が記者にインタビューで話した次の話を受けています。
「シニアの消費を促すためには、売る側だけの努力では不足です。買い手側の条件をよくすることも大切です。第1章で説明した通り、資産は多くとも所得の少ないシニアは、日常生活における出費は月の所得、つまり、多くの人が年金収入の額にほぼ比例するのです。平均的にはあまり高額でない年金収入のなかでやりくりしているため、どうしても日々の出費は倹約気味になっています。そこで、年金以外の副収入を得る機会を提供すれば、可処分所得が増えるので消費が促されます。」
また、この記事の最後の部分「経済的にゆとりがあるとされてきたシニア層。その消費はひとくくりに捉えられなくなっている。」は、やはり拙著「成功するシニアビジネスの教科書」第1章で述べている、シニア市場に対する俗説と真実です。
ここで述べられていることは、実は10年以上前から起きていることです。にもかかわらず、シニアビジネスに取り組む側に正しい認識がまだまだ欠如していることをこの記事は示しています。