「らくらくホン」は世界初のシニアフレンドリー携帯電話
NTTドコモの「らくらくホン」は、累計2,500万台を超えるベストセラー商品であり、一時期は毎月の携帯売上上位に必ずランクするヒット商品でした。
ところが、06年上期頃までの機種は実は三種類しかありませんでした。
この機種数で今後も十分なのか、不十分なのか。もし、不十分ならば、どういうデザインの機種をいくつ追加すればよいのかという大きな疑問を寄せられました。
この疑問に応えるための新モデル開発・マーケティングに参画しました。
携帯電話市場は典型的な「多様なミクロ市場の集合体」だった
それまで何となくわかっていた気になっていたシニア向け携帯市場をもう一度徹底的に研究し直した結果、世間で言われているような一様なマス・マーケットではなく、いくつかのミクロ市場の集合体であることがはっきりしたのです。
この結果に基づき、07年から従来型になかったお洒落な「らくらくホンベーシック」やワンセグなどの機能を満載した「らくらくフォンプレミアム」などを相次いで投入した結果、急速に市場が拡大していきました。
日本企業の新事業担当者には、ニッチ市場は手間がかかり、割に合わないと軽んじる人も少なくありません。
しかし、初めはニッチ市場に見えても、多くのニッチ市場をつかむことができれば、それは、「ビッグニッチ」に変わるのです。