都市問題 2006年9月号  

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2006年9月号 都市問題
 
従来と異なる意識をもつ「新しい高齢者」は、豊富な人生経験にもとづく優れた知恵と体力とを兼ね備えた、いわば「社会的資源」だ。これを一律の年齢で社会からリタイアさせてしまうのは、大きな社会的損失である。もちろん、現役時代に十分働いたので退職後は悠々自適を望む人は別だ。しかし、リタイアしたくない人まで強制的にリタイアさせられてしまうのが従来の社会の仕組みだ。
問題は、社会から求められ、本人もやりがいをもって活躍できる「場」と、そうした場を支える「仕組み」がまだ不足していることにある。このような「場」と「仕組み」は、超高齢社会に求められる「社会的インフラ」である。そして、その整備が新たなビジネスチャンスにもなる。

(中略)

仕事はしたいが、結構えり好みをする。だから、そういう年長者側のわがままと、仕事を依頼したい側のニーズとがなかなか合致しない。お金のために働きたいというよりは社会とつながっていたい気持ちが強い反面、それなりのプライドを持っているので、それを尊重するマネジメントが必要となる。
実はその主役になれるのが、今の会社を退職しても仕事を通じて社会に役に立ちたいと思っている団塊世代の人たちではないだろうか。
団塊世代を商品・サービスの「使い手」と見るだけではなく、商品・サービスの「担い手」と見る視点が大切だ。

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