朝日新聞名古屋版 6月30日
コメダ珈琲店を展開するコメダホールディングスが29日、東京証券取引所の第1部に上場しました。それに関する取材を受けたコメントの一部が次の通り引用されています。
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日本フードサービス協会の推計では、長く右肩下がりだった喫茶店の国内市場は12年から増加に転じた。団塊世代が65歳になり始めた年だ。「地域住民の集まる場所として喫茶店が見直されている」と協会の担当者は話す。
首都圏の60~70代を対象に電通が昨年実施した「ひとりで楽しむ活動」の調査で、「カフェ・喫茶店」は女性で1位、男性で3位に入った。「喫茶王国」名古屋で競争を勝ち抜いたコメダは、そんな流れをつかんだ。来店客の平均年齢は46歳。高齢化が進む日本全体とほぼ同じだ。
ライバルも手をこまねいてはいない。ドトール・日レスホールディングスは11年から、コメダと同じフルサービス型の星乃珈琲店を展開。サンマルクホールディングスも倉式珈琲店を15年から始めた。「狭い日本は陣取り合戦」(コメダの臼井社長)となっており、海外にも手を打ち始めた。ことし4月に1号店を中国の上海に開き、今後は東南アジアへの出店も視野に入れる。
シニアの消費行動に詳しい東北大学特任教授の村田裕之氏(54)は「コメダは自宅でも職場でもない『第3の場所』をつくった」と評価。「今後高齢化が進むアジアでも成功する可能性はある」と話す。