認知症予防・改善プログラムで発症リスクを減らす

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週刊朝日臨時増刊 老後の不安解消マガジン コラム 定年後、もっと知りたい!

厚生労働省老健局「高齢者介護研究会報告書『2015年の高齢者介護』」によると、何らかの介護・支援を必要とし、認知症がある高齢者は、15年までに250万人、25年までに323万人、35年以降は350万人を超えると推計されています。

現在、認知症の原因となる病気は約70種類といわれています。日本では、アルツハイマー病が約50%と最も高く、続いて脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)が約30%、レビー小体病が約10%、その他が約10%となっています。

また、最近では「慢性硬膜下血腫」や「正常圧水頭症」による認知症は、手術で治療が可能ですし、アルツハイマー病による認知症は、薬物療法で認知機能の改善や初期の進行を10ヵ月程度抑えることができます。

「音読・手書き・簡単な計算」で脳を活性化させる

週刊朝日臨時増刊2012

もっとも、できることなら認知症にかかるリスクを可能な限り回避したいもの。そこで、「学習療法」が注目を集めています。学習療法とは、東北大学加齢医学研究所・川島隆太教授と公文教育研究所との共同で開発された対認知症療法です。

プログラム内容は、教材を用いた「音読・手書き・簡単な計算」。これらの学習は“脳の司令塔”といわれる前頭前野を中心に脳全体を活性化させる効果があり、学習療法サポーターとコミュニケーションをとりながら行うことで、認知症の改善や抑制効果があることが科学的に証明されています。また、継続意欲が湧くというデータもあります。

現在、くもん学習療法センターが全国の高齢者施設や各自治体と協力して、認知症改善や予防のための「脳の健康教室」を開催しています。

ただし、学習療法をすれば、認知症の原因疾患を必ず予防できるわけではありません。というのも、アルツハイマー病は、いまだ原因不明なため、予防法が確立していないのが現状です。

これまでの研究により、学習療法のほか、有酸素運動や魚・野菜中心の食事習慣で発症のリスクが抑えられるということはわかっています。定年を機に、生活や食事の習慣を見直して、認知症にならない健康なからだづくりを心がけてみてはいかがでしょう。

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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