都市問題 2006年9月号  

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2006年9月号 都市問題
 
従来と異なる意識をもつ「新しい高齢者」は、豊富な人生経験にもとづく優れた知恵と体力とを兼ね備えた、いわば「社会的資源」だ。これを一律の年齢で社会からリタイアさせてしまうのは、大きな社会的損失である。もちろん、現役時代に十分働いたので退職後は悠々自適を望む人は別だ。しかし、リタイアしたくない人まで強制的にリタイアさせられてしまうのが従来の社会の仕組みだ。
問題は、社会から求められ、本人もやりがいをもって活躍できる「場」と、そうした場を支える「仕組み」がまだ不足していることにある。このような「場」と「仕組み」は、超高齢社会に求められる「社会的インフラ」である。そして、その整備が新たなビジネスチャンスにもなる。

(中略)

仕事はしたいが、結構えり好みをする。だから、そういう年長者側のわがままと、仕事を依頼したい側のニーズとがなかなか合致しない。お金のために働きたいというよりは社会とつながっていたい気持ちが強い反面、それなりのプライドを持っているので、それを尊重するマネジメントが必要となる。
実はその主役になれるのが、今の会社を退職しても仕事を通じて社会に役に立ちたいと思っている団塊世代の人たちではないだろうか。
団塊世代を商品・サービスの「使い手」と見るだけではなく、商品・サービスの「担い手」と見る視点が大切だ。

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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